第18話

わたしの腕の中で泣いていた彼を、守りたいと思った。優しく抱きしめて、包んで、癒してあげたいと思った。



でももう、その役目はわたしのものじゃない。篠津さんの好きな人のものだ。わたしはあくまでつなぎで、これから彼を守って、愛して、一緒に生きていく人はわたしじゃない。




「つらい…」




しばらく恋はいいやって思うぐらいつらい。よくよく考えればこれが初めての失恋だ…こんなにつらいものなんだなぁ。もう恋愛なんてこりごりだって言っていた人の気持ちがしみじみわかる。



膝を抱えてぐりぐりとおでこを膝に擦り付ける。ふわりと慰めるように頭を撫でられたけど顔はあげなかった。




「やっぱ馬鹿ね、あんた。そういう我慢して、相手のために自分押し殺して、なのに心から相手の幸せ願えちゃうところが放っておけないのよ」




その日は甘やかしてくれた友人に甘えまくって、一日中干からびるんじゃないかってぐらいに泣いて、それでも捨てられない恋心を抱きしめて眠った。

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