第6話
どうやらわたしと悟の関係を全く知らない第3者から見たらそう見えたらしいけど言われたこっちとしてはポカンである。
悟を侍らしているは、まぁ理解できないこともない。ほとんど一緒にいたし。でも女王キャラってどうよ。わたしのどこにそんな要素があったのかぜひ問いただしたい。
ちなみにその場には悟もいて案の定悟もわたしと一緒でポカンとしていた。真ん丸お目目に開いたお口は子どもっぽいけど悟がやると間抜けに見えない。むしろ微笑ましい。わたしとは雲泥の差だ。
もちろんかなり盛大な勘違いをそのままで放置しておくわけにはいかないと慌てて必死にそれは誤解なのだと悟と2人がかりでこれ以上ないんじゃないかってぐらいに事細かに説明をした。
うん、あのままわたしが女王キャラだと学校に広まっていたら羞恥で死ねたと思うよ。
「まぁあんたの女子力どころか生活能力の壊滅さは置いておくとしても今のおんぶに抱っこ状態ってどうなのよ」
「否定しないが失礼すぎる」
家の状況も紗衣には伝え済みである。今わたしの両親は単身赴任で家を留守にしており、その間のわたしのお世話は悟に一任している。親がわたしのものぐささと適当さに心配になったらしく県外に行く前に悟に頼んだらしい。
悟もさもありなんと嬉々として受け入れたとか。実の娘よりも悟に信頼があるとか複雑だ。しかも微妙に正しいのが余計に複雑だ。
そしてもはやわたしにとっては日常と化しているこの現状に何か問題でもあるのかと思わず首を傾げた。
「私たち、一応高校生なのよ?高校生って言ったら青春真っ盛りの時期でしょうが」
「あー、だねぇ」
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