第4話

ご馳走様でしたと手を合わせてのんびりと歯を磨いたり学校に行く準備をする一方で悟はテキパキと朝ごはんの後片付けまでしている。



何ゆえ同じ時間でも内容にここまで差がでるのか。わたしがのろいのか悟が優秀なのか。後者であることを願う。



鞄を持ち、一緒に家を出て学校に向かう。高校はここから一番近い普通の公立でわたしは普通科、悟は進学科に通っている。



悟は頭いいからもう少しレベルの高いところに行けたはずだけど遠くなるから嫌だと珍しく拒否していた。まぁ確かに1時間と20分の差は大きいよね…




「はい、はるちゃんの分のお弁当」



「いつもありがとう」



「どういたしまして」




照れを含んだ愛らしい天使の笑みとも放課後までお預けである。いつも見てるけどどれだけ見ても見飽きないから不思議だ。しかも幼馴染みだから家族を除けば一番お目にかかっているはずなのにね。



普通科と進学科じゃ校舎が違うので玄関で別れてそれぞれ教室に向かう。時間が合えばお昼も一緒に食べたりするけど教室の中の付き合いとかがあるから頻繁ではない。



そこまでの友好関係に口を出すのもどうなのかなぁと思いあまり聞かないようにしている。悟の方も聞いてこないし。




「おはよー」



「おはよ。今日も朝から見せつけてくるわねー」



「お弁当のこと?もう恒例なんだから引っ張らなくていいよ」

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