彼女たちの関係
よしの
1.「俺と付き合ってください」
この言葉を聞くのは、もう何回目だろう。
自慢じゃないけどあたしはモテる。
決して自慢じゃないけどね。
どういうわけか知らないけれど、色んな男の子から交際を申し込まれる。
それは、アイツがいなくなってチャンスだと思ったんだろう、というのは多分間違いで。
あたしとアイツの関係を知ってる人は数少ない。
だからと言って『あたしの魅力』と言うほど神経図太くないつもりだし。
分かっているのは、今、あたしの生活の中にアイツがいないという事実と、今、目の前の男の子に告白されたという現実。
だけど答えはいつも決まってて。
今までもことごとく断ってきたから、最近では『コクっても無駄の安斎さん』なんて言われてて。
『そんなことないよー』とは言いつつも、その気がないことは確かで。
そりゃ、カッコイイ人は好きだけども。
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいんだけど…」
「……。やっぱりダメか」
「ごめんなさい」
「他のヤツもみんな断ってるんでしょ?こんなに男が寄ってくるのに、何でみんなダメなの?」
「…好きな、人がいるから…」
「付き合ってる人?」
あたしとアイツの関係…。
何て説明すればいいのだろう?
付き合ってます。
って言えば、付き合って…る?
だけどしばらく会ってないのは事実だし。
あたしが答えに困っているのを、“片思い中”と勘違いしたのだろう。
彼は去り際、こう言った。
「安斎さんから告白されて断る男なんていないよ。早くコクっちゃいなよ」
あたしは苦笑いしか出来なかった。
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