ヘビ転生~転生したら竜だと思ったらヘビなんですけど⁉~

白咲 飛鳥

第一章 叡智の白蛇

第1話 他人の修羅場に巻き込まれるとか最悪すぎる…

 おお、この小説も面白いな!☆3にしちゃおっと。ポチっとな。むふふ

、家に帰ったらもっと見るぞ~。ほかには…お、これとかよくない?ふむふむ。読んでみよっと。


 スマホをいじり、新たなる小説を読もうとする女・青谷あおたにひかりが修羅場っぽい雰囲気の場所だとも知らずにとある道を歩いていた。小説のことで頭がいっぱいなので、気ずくそぶりもない。多分。


「はぁ⁉あんたが誘惑したんでしょ、この泥棒猫!」

「ひどぉい、わたしは誘惑なんかしてませんよぉ」

「その喋り方がムカつくんだよこの野郎!」

「わたしはぁ、女なので野郎じゃないですぅ」

「まあまあ、そこら辺にしときなよ」

「元はといえば、あんたが「あくちゃんが一番かわいいよ」って私に言ってから、そこの女に「みぐちゃんは世界一可愛いよ」て言ったからからこうなってるんでしょうが!」

「そ、それは…」


…ん?なんか修羅場?今この人たちの目の前なんだけど。


 いやぁー、参ったな~。と、思いながら冷や汗をだらだら垂らしている光に、「あくたん」と呼ばれていた女性がこちらを振り向く。その時、包丁がキラリと光った。


「あ、あんた!らんでしょ!なんでここに⁉︎」

「え?私の名前のは光なんですけど・・・」

「よくも・・・よくもやってくれたわね!」


 どゆこと? 私が何をやってしまったのかわからないです。いま改めて気づいたけど、あれ包丁じゃん! やばいやばい、殺されるぅ〜! にっ逃げなければ! 


「あら?あなた・・・嵐じゃない?もしかして、光って名前は本当だったの?」


 そうです。人違いです。それより早くお腹に刺さってる包丁を抜いて下さい。あと私今吐血してます。冷静すぎて怖いです。おかしいな、なんでこんなことになってるんだろう。


ああ、もう死ぬの?我が人生に小説の数の悔い有り。とゆうか救急車呼べよ。


そんな視線に気付いたのか、慌てて電話をしていた。


「ご、ごめんなさい。人違いでした!許してください」


ピーポーパーポーと救急車の音が聞こえる。


 間に合わないよ、もう。せめて、異世界転生させろー!お願いします、神様!そうしたら自分で小説のような人生を送れるのにね。


 ふむ。ドラゴンや龍が最強種だよね。ならそれでいきたいぜよ。ふふふ、頼むよカミサマ♪うん、やっぱ卵からかな。最初から最強だとつまんないし。


そうして、光という女はルンルンしながら息を引き取った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る