もしも〇〇だったら……

砂坂よつば

第1話「apple(林檎) 」


ここは天界エデンの園。神よりつくられし最初の人間、アダムとイブが暮らす場所。


神様「アダムとイブよ、このエデンには踏み込んではならない“禁断の大樹“があることは何度も話しているだろう」


イブ「えぇ。耳にタコ壺ができるほどに」


アダム「イブ、それをいうなら耳に金棒だろ」


イブ「あらそうだったわ(笑)流石ね、アダム」


神様「いや、どっちも違うから!!」


神様は思わずツッコミを入れた。

数日後、イブは禁断の大樹へ足を踏み入れてしまった。大きなを目の当たりにしたイブは上を見上げる。


イブ「とても大きいわ。これが禁断の大樹なのね。こんな素敵な場所なのにどうして神様は“禁断“なんて言うのかしら」


そこへ、蛇使いの神様アスクレピオスが現れイブに理由を教えた。


アスクレピオス「それは、この樹に実る果実りんごが【知恵の実】と呼ばれるからだよ」


イブ「ちえのみ?それは何?」


アスクレピオス「この樹から実る果実かじつのことさ。食べたモノに知恵を与えるんだ」


イブ「ちえとは何?」


アスクレピオス「生きる為に必要なことさ」


アスクレピオスは真っ赤に熟したりんごを2個大樹からもぎ取り、丸く大きい形の良い方をイブへ差し出す。


アスクレピオス「ほら、君の分だよ」


イブは受けとろうとしなかった。何故なら神様から何度も言い聞かせられ耳にたこができるほどの言葉をアスクレピオスに強く言い放つ。


イブ「知らない人からモノを受け取ってはいけません!!」


そう言い残してイブは禁断の大樹から走って逃げるのだった。


(完)🍎

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