第27話 ラーメン完成ンゴ
どみん「ふぅ、いい感じに炊けたンゴ」
【業務マーケットLv5 青果】が解禁したことによって納得の行く味に仕上がったチャーシュー。
トロトロ系を押す声も聞けるけど、ンゴの店ではもちもち系のしっかり肉を採用してるンゴ。
ネギ油、チャーシュー、千切り白髪ネギ。
思えばネギがなければ作れない始まらない。
試しにチャーシューの切れ端をミィアたんとイグルに食べてもらうと、
ミィア「ッ!…」
イグル「ッ!…」
誰も何も言わない。
でも美味いのは解っていたので聞くことはない。
じーちゃんにもチャーシューならどみんに任せたほうがいいとお墨付きを貰ったぐらいだ。
ミィア「絶品、この肉のためにある言葉にゃ…」
イグル「美味い…こんな物世の中に存在して良いのか?あ、これってマヨネーズと和えたら…」
どみん「これで完成じゃ無いンゴ」
ミィア・イグル「「にゃ、にゃんだと!?」」
ホワイトイーグルの骨を3時間、オークの骨を8時間煮たスープ。
じっくりじっくり出汁を取りつつ
もちろんそのスープは多くの野菜が含まれている。
醤油のかえしはスタンダードなみりん・砂糖・醤油。
かえしを入れ黄金スープ(鶏ガラ)と白濁スープ(豚骨)をかけ合わせ、【業務マーケット】で買ってあった細麺を湯切しスープに合わせ、業務用メンマ・白髪ネギ・のり・チャーシューのつけダレに一緒に漬けた煮卵、最後にチャーシューを添えて…
どみん「完成したンゴ!オークがいっぱい手に入るから作った『オーク豚骨醤油ラーメン』!」
イグル「うおっ、あったけぇ!いい匂いだぜ!」
ミィア「にゃ〜震えてくるにゃ!これは間違いなしにゃ!」
早速ンゴもすすってみた。
うん!豚骨の濃厚さと醤油の香りがダイレクトにくる!
家系みたいなこってりは出さずややさっぱり系に細麺を合わせたのは正解だった。
でもスープの絡みがもう少しあってもいいので、ネギ油を増やしていいかも。
白髪ネギ、洗いネギにした後にごま油であえてあるから抜群にシャキシャキでもっと量があってもいいかも!
メンマはこれでいい、煮卵はもっと味はいいけど半熟のギリギリを目指さないと…。
ジャーシューはこの薄さでいいかな?
あんまり厚いとチャーシューの主張が強すぎるから別でチャーシューメンをメニューにしよう。
……あれ?イグルとミィアたんから何も発言が無いけど口に合わなかった?
イグル「ゴクゴク…ふぅ。うん、空っぽになっちまった…これは、やばいぜ?」
ミィア「もう無くなっちゃったにゃ!?美味すぎてもうよくわかんにゃいにゃ!?気づいたら無くなってたにゃ。これは流石に
シャアアアアア牙を見せたと余裕のない催促にビビるンゴ。
ミィアたんの2杯目を作り始めた時点でギルドのキッチン周囲に人だかりができていた。
モブ冒険者「おい!あの謎のお猫様顔見たか?あんな美味しかった生姜焼きにも平然と食べてたのにあの余裕のない表情!?相当美味いんだぜ!?」
モブ冒険者「もう耐えられねぇよ!金なら払うからさぁ!」
モブ冒険者「昨日からもう美味そうだったんだよ!これで駄目なら暴動が起きるぞ!?」
どみん「ンゴ!?うーん…一杯銀貨1枚と銅貨5ではんば―――」
モブ冒険者「「よしッ買った!!」」
日が上がってそれほど時間が経っていないのに、朝起きがズボラな冒険者たちに、飛ぶように売れていく朝からずっしりオーク豚骨醤油ラーメン。
あれから1時間もしない間に寸胴満タンで仕込んだ豚骨と鶏ガラスープが半分をきろうとしたその時、唐突に「【テレポート】!」という声とともにギーガさんが空中から現れた。
ギーガ「どみん師匠!新作が半端ないってそこのバカネコからお達しが来たもので!ぜひわしにも一杯いただけますでしょうか!?」
どみん「了解ンゴ!とんしょーイチ!」
イグル「あいよ!」ミィア「にゃあ!」
ンゴが麺の湯切り、スープまでやって、
イグルが麺のほぐしと盛り付け、
ミィアたんが陰魔法で配膳。
ミィア「おまたせしたにゃ!しっかり味わうにゃ!」
ギーガ「ふっ、言わずともじゃ!いざっーーーズズズ…ふぐっ!?ズルズルズルッーーーなんて物を作ってしまうのですか!これはもう犯罪ですぞ!」
どみん「え!違法ンゴ!?」
ギーガ「失礼しましたですじゃ、違法ではありませぬ。しかし…コレを食してしまったら最後、もう他の食べ物は喉を通さぬやも知れませぬ…」
冒険者達「「(コクコク)」」
どみん「ンゴ?この世界ってやっぱりあんまり美味しい食べ物少ないンゴね。これは良いンゴ!実はギーガさんに教えたように孤児院が出来たら自立の一環で子供たちにンゴは料理を教えてみようかと思ってて…その中心料理がこのラーメンの予定ンゴよ!」
ギーガ「なっーーー!」
冒険者達「「なっーーー!」」
モツナベ「なっーーー!」
ロース「なっーーー!」
トビ「なっーーー!」
どみん「まだまだいろんな味があるし根気は必要だけど割と単調な部類の料理ンゴ、子供たちでも出来るように―――」
ギーガ「うおおおおおおん!!流石師匠!この地を聖域とするならば何時でもこのギーガをお呼びください!それはそうと、ラーメンにお酢を入れてもいいですかな?どうしても麺にお酢が癖になってしまって!」
モブ冒険者「ふざっけんなジジイ引っ込め!」
モブ冒険者「こんなうめぇもんにお酢だと!キメてんのか!」
モブ冒険者「ラーメンを汚すんじゃねぇ!」
どみん「え?卓上調味料どんどん使ってンゴ?その赤いラー油は辛さと香りがプラスンゴ、ブラックペッパーは「「ブラックペッパー!?」」味が引き締まるンゴ。お酢はさっぱりして脂っこいのが嫌いな人でもさっぱり食べれるンゴ。にんにくはパンチが利いて食欲もりもりンゴ。どれも自由に使って良かったンゴ…言って無かったンゴ!?ごめんなさいンゴ〜」
モブ冒険者「ヒソヒソ(ブラックペッパーって言えば100gで貴族の屋敷が建つっていうアレだよな?)」
モブ冒険者「ヒソヒソ(これ、間違いないぞ。俺はいいとこの商家の生まれだから一度だけ触ったことがある。もっとも、その時のものより上物だぞ?)」
モブ冒険者「ヒソヒソ(じゃあなんだ?たった銀貨1枚と銅貨5枚でこんな絶品料理に自由に使って良いってか!?マジ狂ってる!!)」
ギーガ「おぉ…完成しているにも関わらず、最後に自身でカスタマイズできる…。こんな贅沢を…!まさかコレは冷やし中華にも!?」
どみん「当然ンゴ」
ギーガ「フォーー↑ッッッッ!!冠水どみん万歳!」
どみん「あ、そういえば女神様に催促抑える様に言ってくれたんだってミィアたんに聞いたンゴ。これンゴからのサービス(チャーシュー4枚)」
ギーガ「んほぉおおおおおお♡!!だいしゅきどみん様ーー!!」「(ジジイのオホ声キツインゴ…)」
冒険者達「「オイッジジイばっかりズルいぞ!!」」
どみん「皆さんにもサービスしてるンゴ!本来1枚だけど今日は特別に2枚プラスしてるンゴよ?ラーメン初日もあるけど、皆さんがオークを間引いてギルドに持ってきてくれるおかげでこうしてチャーシューが作れたンゴ!」
モブ冒険者「オーク!?この極上の肉がかッ!?」
モブ冒険者「おいおいどんな錬金術だよ!あの安肉をこんな…」
モブ冒険者「B級支援冒険者?前人未到のS級が妥当だろ?」
モブ冒険者「俺、明日からオークの事チャーシューにしか見えないかも…」
モブ冒険者「卓上調味料入れると別格に美味いぞ!?俺達銀貨1、銅貨5枚で食べて良いのか?」
大盛況で2時間せず150杯でスープ完売。
これなら銀貨2枚でもよさそうだ。
町中華といえばラーメンだからなんとか形になったけどまだまだ改良の余地がありそうだ。
麺は製麺所に頼んでいたので【業務マーケット】の商品に頼らざるえないのがネックだ。
それでも町中華っぽくなってきたし、孤児院のこととかこれから忙しくなるけど頑張るぞ!
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