第24話 要塞落としンゴ
ロース「孤児院…孤児院ですか?」
どみん「ンゴッ!お、お金はある…と思うンゴ…」
ここはギュウシーギルド。
受付嬢のロースさん、すごく困惑してるんですけど?
イグル「あー、なんかご主人がキョドってるから俺が替わるぜ。俺達はE級冒険者パーティ『招き猫』だ。俺はA級で奴隷のイグル、こっちは主のB級のどみん、契約獣のミィアだ。俺の主のどみんは変わり者でこんな
ロース「ご確認します……!!イグル・シルフィード!?つかぬことをお聞きいたしますが、神童と呼ばれ最年少で『ダーディラード』に昇格したあのッ―――!!し、失礼しました。ギルドマスターと相談いたしますので少々お待ちください――――――」
ロースさんは急いで奥の部屋に走っていった。
イグルはコミュ強すぎて憧れる。
しばらくして奥から平謝り系サラリーマンのような中年の人が出てきた。
モツナベ「あの…私がギルドマスターのモツナベです。えと…皆さんはまだ結成して2日…でありますが、予算はどのくらいを考えていますか?」
どみん「金貨500枚分ンゴ…」
モツナベ「金貨500!?…本来はそれで十分な予算でありますが…その、申しにくいのですが、今は…」
イグル「『バターフライファミリー』とかいう奴らか?そういうのはギルドが牽制したり潰したりするもんだぜ?」
モツナベ「ごもっともで。しかし、アクシツコレステ王国でも屈しの弱小ギルドでして。悪質な組織と渡り合うための戦力は無く…」
イグル「まぁダンジョンもない、国境、領主は適当で税は高い。誰も来ねぇよなこんなところ。場所が解るなら俺達が潰してくるぜ!今後の事考えると邪魔だからよ!」
モツナベ「よろしいので!?場所は南東の墓地の近くに構えてます。頭領の『アナコンダ』は賞金首です。首をお持ちくだされば金は出し惜しみしませんよ!いやいや、うれしいなぁ~元『ダーディラード』のイグル様にこちらから話すつもりだったのに、恩に着ます!」
イグル「へっチンピラ崩れに遅れは取らねぇよ!」
ミィア「待つにゃ新入り、にゃあがやってやるにゃ」
イグル・どみん「「えっ?」」
ミィア「もうすぐ夜にゃ、影の世界でにゃあの横に出る者はいないにゃ〜ん!」
イグル「マジかよ!邪魔しねぇから俺は見学していいか!なぁ!」
ミィア「巻き込んで四肢が飛んでもいいなら来ればいいにゃ新入り!」
どみん「ンゴは留守番でもいいンゴ?」
モツナベ「えっと…この巨大な猫は一体?」
イグル「まぁ言っても信じないだろうが…伝説の要塞おとしだよ!」
モツナベ「ふえぇ?お伽噺の話ですか?」
―――バターフライ・アジト―――
アナコンダ「てめぇ等!やる気あんのか!!男だ女だ関係ねぇ!貴族様が欲しいっつったら用意してやるのがファミリーだろぉ!?」
チンピラ1「ひぃ!オカシラ勘弁してください!あの神童イグル・シルフィードがいたんでさぁ!」
アナコンダ「ガキ一人連れて来れねぇ言い訳がそれか!腕の一本でも折らなきゃわかんねぇか!!」
ヒバカリ「オカシラ!それが、あのイグルが帰ってきたのは本当らしいですぜ?」
アナコンダ「なにぃ!?まぁ俺の右腕であるヒバカリが言うなら信じよう。しかしイグルか…あの胡散臭いシルフィード商会の会頭が何処かから顔がいいからと拾ってきたガキか。過去に一度見たが、あれは昔から生意気なガキだったぜ!」
カヒュン―――
アナコンダ「なんだ!?なんで明かりが消えたんだ!?オイっ!誰でも良いから早く明かりを―――ッ!?ヒバカリ!馬鹿な…!?」
そこには人相の悪い『バターフライ』のナンバー2、ヒバカリの胸にぽっかり穴が空いてる。
まぁにゃあが陰魔法で心臓をえぐり取ったにゃ!
明かりは付け直してやったにゃ。
恐怖は映像情報が一番にゃ〜。
ミィア「はじめましてにゃ!ミィアだにゃ!」
アナコンダ「くたばれや!この畜生が!!【バーサーカー】【暴力Lv7 バーストブロー】!!」
ぐにゃんっ
アナコンダ「あ…あぁ??」
ミィア「影は固くも柔らかくもなるにゃ!お前程度じゃかすり傷にもならないにゃ〜」
ビュゥン!
ブゥン!
アナコンダ「お前ら!ヒバカリ!?どうなってやがる…なんで俺を襲ってるんだ!何が起きてんだよぉ!?」
ミィア「にゃあはネクロパンサーって呼ばれてるにゃ。生きてると無理だけど、死んだ存在は霊体生物(ゾンビやゴーストなど)にならない限り、影を操る要領で操れるにゃ。だからネクロパンサーにゃんだにゃ!」
アナコンダ「俺の攻撃を受け止めて…死者を動かして…ネクロパンサー!?なんでここに?なんで俺に?なんで?なんで?」
ミィア「あの教会にお前達が手を出した。あそこは主が算術や料理を教えて自立を促すつもりだにゃ。そこににゃあを崇めさせればずっと美味し料理を提供させてゴロゴロできるにゃ!その邪魔ににゃるにゃ。さぁお前の首は必要にゃ、大人しくすれば痛みはないにゃ?」
アナコンダ「冗談じゃねぇーーーもうどうなっても知らねぇぞ!!」
にゃ?あれは鉄格子?
鉄格子が上がったら何か出てきたにゃ?
アナコンダ「コイツはA級モンスターの『キマイラ』だ!!2つの顔から別々のブレスを吐き、凶悪な牙は鋼鉄を引きちぎる!!フハハハ!いくらネクロパンサーでもこの魔獣を抑えて俺を追いかけることは出来―――で…え?なんで『キマイラ』が
ミィア「馬鹿だにゃ〜【スキルキャンセラー】そしてにゃあは『獣王』なんだにゃ。獣であれば神鳥フェニックスも神獣フェンリルも跪くのにキマイラ程度が抗える訳ないにゃ〜。さてと、一人じゃ寂しいみたいにゃし皆と楽しく踊るといいにゃ!」
アナコンダ「や、やめろお前等!ヒバカリ!嫌だ!死にたくない!お前等だけ死ねよ!俺は選ばれた―――あっ!?ああ!いきぎにぃえぇっ―――」
ミィア「にゃ…思ったより顔に傷がついちゃったにゃ〜、まあいっか!【陰空間】」
………………
イグル「流石だぜパイセン、それにしても」
ミィア「ぜんぜん手応え無かったにゃ…もっと激闘を想像して「巻き込んで四肢が飛んでもいいなら来ればいいにゃ新入り!」なんて言って恥ずかしいにゃ…」
キマイラ「「ぐるるるるる〜」」
ミィア「にゃ!無視して悪かったにゃ、よしよしにゃ「「ぎゃうっ!ぎゅにゅうん〜♪」」 」
イグル「なんかコイツ俺より図体デカいのに可愛くねぇか!うい〜(アゴをすりすり)
キマイラ「「ぎゃう〜♪」」
にゃあもイグルも影の中を通ってきたので、帰りは堂々と地下施設への階段をのぼる。
残党がいたけど陰魔法でシュババ胴体ポロンしてやったにゃ。
外に出ると今夜は満月で綺麗にゃ〜。
夜の世界全てが『影』、そうだにゃ!
ミィア「さてにゃ、なんでにゃあが『要塞落とし』って言われてるか見せてやるにゃ新入り!」
イグル「おっいいねぇ!ヒューヒュー!」
キマイラ「「ぎゃぎゃ!」」
ミィア「ふぅーーー…………にゃにゃにゃぁあああ!!」
こぉぉぉおおおおおおお―――
イグル「い゛っ!?すげぇ魔力の本流!?空間が曲がってやがるぞ!ギャハハハ!」
キマイラ「「きゅ〜ん」」
ミィア「【陰魔法Lv10 シャドーメテオ】」
――――――――――――
翌日、ギルドマスターのおじちゃんがわっせわっせとバターフライアジトの跡地をほかのギルメンと何やら忙しそうに調べている。
無駄だにゃ〜、にゃあの最高威力魔法で半径200mのクレーターが出来たから塵も残さなかったにゃ!
「さっすがパイセン…伝説の魔獣だぜ!」ってイグルに褒められたにゃ。
もっと崇めるのにゃ〜。
はぁ〜疲れたにゃ〜。
こんなに働いたの久々だにゃ〜。
今日は美味しい物が食べたいにゃ〜。
どみん「おーい!今日は近くの湖の魚が手に入ったからそろそろ朝食にするンゴ〜」
ミィア「にゃ〜♪」
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