第22話 一方その頃・召喚者達②
逢乃宮総帥「
えあ「はい、お父様」
逢乃宮総帥「龍宮院の
えあ「はい、お父様」
逢乃宮総帥「我ら逢乃宮財閥への繋がりを広げろ、『天狗』を付けてやる」
えあ「はい、お父様」
私は…生きてるの…?
――――――――――――
チンピラ「ねぇねぇ、君カワイイよね〜」
チンピラ2「俺達とさ、遊ぶぜ」
チンピラ3「あっちに友達もいるしさ…」
友達?「クスクス…」
あら、
あらあらカワイイこと、私が護身術を習わない訳がないのに?
護身術ではなく殺人術に近いですわね、『黒鉄流当身術』は…
――――――え?
その光景を生涯私は忘れることはないだろう。
突如として殿方が、なんのゆかりもない私を助けてくれたのだ。
護身術をならう私から見ても正確無慈悲な打撃、それを全て3人ほぼ同時にアゴを鉄槌で打ち込んだ。
身長が高くて虚ろげで、とても儚げな瞳で…
どみん「大丈夫ンゴ?」
なんて美しい声、初めて人間が美しいと思った。
人間というのは他人の機嫌を伺い、自らを
そういう生き物じゃ…
どみん「無事ンゴね、…じゃ、じゃあンゴはこれで…」
えあ「(ンゴ?)お待ち下さい、見返りを求めないのですか?」
どみん「見返り?い、いらないンゴ!じゃ、じゃあこれで―――」
えあ「名前、名前だけでも教えてください!!」
どみん「どみんンゴ」
えあ「どみん、どみん様…どみん様!」
友達?「えっと…えあさん、何かの行き違いが…ボゲゥッ―――」
ひかり「おい、お嬢!アタシを置いてくんじゃ―――って、こいつ等伸びてるけど、お嬢がやったのか?」
えあ「いえ…私を見返りもなしに助けてくれたのです…あぁ〜 (/// ///) 」
どみん様、どみん様、どみん様〜!!
ほしい、彼がほしい!彼の愛が、身体が、全てがほしい!
逢乃宮総帥「おい、龍宮院とはどうなっているッ!?」
チッ、父親というだけで…、この男は邪魔ですね。
私はどみん様を探さなければいけないのに…どいていただきましょう。
逢乃宮元総帥「ど、どいう事だ!?なぜわしが逢乃宮家を追われる?なぜだ!後釜にわしの代わりなど出来るはずがないだろう!」
えあ「お父様、貴方の代わりなど私で十分ですわ。能力もなく親の七光りで生きてきただけの貴方ではねw」
逢乃宮元総帥「このぉ!糞餓鬼ィーーーごふっ!!」
えあ「ごめんあそばせ、貴方が女で遊んでいる間護身を身に付けましたの。どうですか?日頃馬鹿にしている女に容易くいたぶられるのは…、お祖父様や分家はみな私に賛同いたしたのよ?その汚い顔、もう二度とお見せにならないように」
逢乃宮元総帥「ば、ばけもの…」
邪魔がいなくなりいざどみん様を探す…というのに一向に見つかりませんわ。
一族の権威も、『天狗』も使ってこれだけ探しても見つからないなんて…、日本国内で『天狗』が見つけられないのは『天狗』だけ、必ず探し出して見せますわ。
はやと「最近会える時間が少なくて寂しいな。今度のクリスマスはディナーでもどうかな?」
この男、本当に鬱陶しいですわ。
私の心はどみん様だけですのに…。
龍宮院財閥なんて潰してあげましょうかしら。
日本最大の財閥の力で―――
ん?ここはどこかしら―――はっ!?あの、あのお姿は―――!!!
どみん様ーーー!!
身長が伸びて以前よりたくましくなって素敵ですわ。
く、臭いかしら?
そういえばひかるさんとテニスをしてましたし、湯を貸してもらいましょう!
ひかる「はあ゛っ!?ざっけんじゃねぇ!オメーがどんちゃん退学の原因かよ!!」
えあ「まさかひかるさんがどみん様の幼馴染とは思いませんでした。あの時、お父様に恨みのある輩に襲われていたところを助けていただいたのです!運命の出会いでしたわ♡」
ひかる「寝ぼけんな!どんちゃんはなぁお前みたいな腹黒なんて―――」
えあ「あら、腹筋バキバキの褐色ギャルを好きそうには見えませんでしたけど?」
ひかる「それは…あいつの親友の松岡が「オタクに優しいギャルがいいでござる!」って言うから―――」
こんなガサツな女がどみん様と幼馴染なんてなんて羨ましい。
でも幼馴染は新しく出来た恋人に譲るもの、世の中はそう出来てますわ!
―――ん?なんですのこの男、こんな時まで騒がしくて…はぁ!?
どみん様を追放!?この国の連中は馬鹿ですの!
アクシツコレステ王国という名前からして信用なりませんが、まさか右も左もわからないどみん様を追放などと…この国にはそれなりのお灸が必要ですわね?
でも…颯爽とどみん様をお助けし、私に依存させるのはいいですわ〜。
あの国王…私を常に選別するかのようにじっとりと身体を舐めまして見てきますの。
汚わらしい、腹芸もできないのかしら?ふっとっちょの豚のくせに家畜より知能が低くていたたまれないですわ
情報を得られるだけ得たら排除しましょうか。
それにしても『スキル』、『コマンド』。
俗物が好きそうな仕組みですこと。
イズィ「あら〜えあちゃん!今日も訓練?ねーねーおねぇさんと一緒にしっとりねっとり訓練しなーい?むふふ〜」
この女は『ダーディラード』のアタッカー、【剣帝】スキル持ちの『イズィ・ハッタ』。
かなりの美貌があるが男より女の方が好きなようで、利用させてもらってる。
ハーフ「も〜、イズィちゃんは〜強引だぞ〜ぷんぷん」
この馬鹿に見せてぶりっ子している腹黒女は『ハーフ・アルテミス』。
こちらも『ダーディラード』で弓使いのスナイパー。
えあ「いつもありがとうございますハーフ様、イズィ様。私の【聖女】スキルのコマンド【聖魔法Lv2】と【再生Lv1】を色々試していたのです。よろしければまたご指導、お願いできませんか?」
こうやって人脈を広げていく。
彼女たちは『ダーディラード』というこの国の最強部隊の一員らしいので利用できるだけ利用したい。
全てはいずれどみん様と私の愛の巣の為。
より多くの駒が必要だ。
待っててくださいませ!
私は貴女の全てを受け入れますわ!!
――――――――――――
ハーフ「やっと見つけた。【再生】、これがあれば5つに引き裂かれた私の身体も元に戻るわ!今度こそ私がこの世界に君臨して導いてあげるわ!待ってなさいよギーガ」
えあ「あら、ハーフ様?ギーガとは魔神様のことですか?」
ハーフ「ひっ―――まじん〜?なんのこと〜、私、おバカさんだからわかんな―――(ドゴン!!)えっちょ…壁にヒビが…えへへ、へ…」
あら?このおバカさん、直突き一発でビビってますの?
ふふ、何やら制約がありそうですわ?
えあ「この際だから腹を割って話し合いましょう?文献で見ましたよ?ギーガに封印されたんですよね?たぶんこの王都の近くに居ると予測してましたが、こんなに早く見つかるなんてうふふふ」
ハーフ「ちょっと!?なんでアンタ王家の禁書物庫の内容知ってんのよ?【聖魔法】も【再生】もそういう事できるスキルじゃないでしょう?」
えあ「先程広場でもいいましたがコマンドの練習をしていたのです。【聖魔法】というのは〈バフ〉というのですか?身体を活性化させ、強化する。でもその時に感情を高ぶらせ高揚させるでしょう?私の囁く言葉に合わせて必要な時に使うと何故か私の事を好きになったり私を大切に思ってくださるんです。それでお願いしたら気前よく禁書物庫を通してくださいましたわ。王様の逆鱗に触れて首が飛ぶまで私との秘密を守ってくださいました。彼のことは忘れません…」
ハーフ「それって…洗脳じゃない…」
えあ「うふふ、貴方もお好きでしょう。私ね貴方とお会いしたかったのですよ?貴方の身体を戻すお手伝いがしたかったのです。でも、事が成就した暁には…相手を完全に支配する【勇者召喚】と同等の禁呪、【
ハーフ「私は言うのもアレだけど、一方的な愛って虚しいだけよ?」
えあ「おかしなことをおっしゃいますわ。愛は一方的な物。不変不動の真実ですわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます