俺は一旦目覚めたあと、その疲れで、さらに眠ってしまったようだった。

 次に目を覚ましたときは、窓から見える太陽が高い位置にあった。

 既に昼前である。

 驚いて飛び起きたが、一瞬で思い出す。


(今日は、休みだ……) 


 顔を洗うと、熱いコーヒーを淹れた。

 何も食べる気がしない。

 コーヒーを全部飲み干し、とりあえず風に吹かれに宿舎を出た。

 砂混じりの風にうんざりして早めに切り上げて戻ってくると、カフェのマスターに電話を入れた。

 

「俺だ……」

『カッツェか。どうした?』

「……いや、何でもない……ふと、マスターの声が聞きたくなった」

『……大丈夫か?』

「ああ。今のところは、すべてうまく行っている」

『ならいいけど?』

 何も言えない。

『あんまり無理するなよ』

「そうだな」


 無理のない仕事なんかない。

 それが自分に耐えられるものであれば飯の種にすべきだし、そうでなければ辞めることを考えるべきだ。


 それは、もう少しやってから考えたい。

 死んだ父やケイトはおそらく、俺が国を守るザ・ハンターの仕事に就いたこと自体は大変誇りに思っているはずである。

 そう簡単に投げ出せるものではない。

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