第10話 全治2ヶ月
「なんでついてきてるの?」
一人で行くはずなのだが、横山さんが何故か着いてきている。
「マネージャーとして付き添います。そうじゃないと病院抜け出してサッカーしてそうだし」
俺を見る目はとても信用なんて言葉はなく、ただ疑いの目線を向けられていた。
「流石にこれで自主練はしないって...」
「本当に?」
「......少しならいいかなと」
実際少しくらい練習しても悪化しないだろうから、暇な時間にリフティングくらいはしたかった。
それも認めてくれないようで、凄いため息をつかれてしまった。
「修斗くんはもう少しで部長...というより実質的に部長なんだからしっかりして!」
「別にやりたくて部長になる訳じゃ...」
時期部長などと言われているが、別に好きでやるわけでなく、サッカーにかけている情熱の問題とやる気の問題でみんなから押し上げられたのだ。
「部長がみんなから認められるんじゃなくて、みんなから認められている人が部長になるんだよ」
忍者アニメの名言みたいなことを言われたが、これに関しては押し付けられているだけな気がする。
その後病院に運ばれた俺だが、骨が折れているのではなく、ヒビが入っているだけだった。
「全治には2ヶ月ほどかかると思われます。それまでは安静にしていてください」
2ヶ月...地区予選が3週間後に控えていることを考えると、普通にアウトだ。
だけど、俺よりもその事を心配している人がいた。
「ど、どうにかならないんですか!修斗くん1ヶ月もしないうちに地区予選があるんです!」
「1ヶ月もすれば骨自体はくっつきますが、過度に動かすと逆に悪化します」
それを聞いた横山さんは椅子にへたり込むように座ってしまった。
(初戦は出れないかな...)
初戦なら問題なく勝てるだろうし、地区大会だけなら大丈夫だと思いたい。
「わかりました。1ヶ月後には軽めならスポーツは大丈夫ですか?」
「そうですね。軽めなら問題は無いと思われます。それでも痛みなどが出てきたら直ぐにやめて病院に行ってください」
俺はそれに頷き、ギプス固定での生活が始まるのだった。
「軽めならいいって言われたし、ボール持ってきてくれない?」
「その腕にパンチして練習したくないって言わせた方が良い?」
結構真面目に言ってそうで、その小さい手を握って俺の腕を見ていた。
「...悪化するよ?」
「修斗くんがやろうとしてる事は、そういう事なの。分かったら安静にしている事」
俺はせめてもの抵抗で、何も言わずに病室へと向かった。
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