第7話 練習試合の会場へ!

「じゃあ行ってくる」

「はーい、頑張ってきてね」


土曜日の朝、俺は練習試合に向かうべく、家を出ていた。

(会場まで走ろうかな)


今日は対戦校のグラウンドを使うため、2駅ほど離れた場所にあるけれど、ウォーミングアップには丁度いい。


俺は家の前で準備体操を少ししてから走り出した。


2駅とは言え、駅どうしは近いのでそこまで時間もかからないだろう。


なんなら、電車を待つより早く着くかもしれない。


俺は呼吸を一定に保ち、少し走ったところで、人が少ない路地で拉致られた。


(....えぇ、なんでぇ)

車に担ぎ込まれた俺は、何か悪いことでもしたかと思いつつ、練習試合に間に合うかと考えていた。


「おい、このガキがほんとに吉原組に関わってんのか?」

「はい、舎弟に見張らせて、あの組長の娘と仲良いことは確認済みです」


会話の内容的に、美咲の組と対立する組かなんかの人らしい。


俺はご丁寧に口枷をされて縛られているので、身動きを取れないのだが、どうするべきか。


こんな時でもサッカー出来ないかな、と考えてしまうのは流石におかしいのだろうか。

でも、仕方ないよな、やる事ないし。


そんなこんなで着いたのは、ドラマとかに出てきそうな廃工場的な場所だった。


俺は紐で縛られたまま、投げ捨てられた。

(いてっ)


少し左半身に痛みが来るけれど、その後すぐに俺の口枷が外されることになった。


「んじゃ、ちょっと待っててもらおうか。余計な事したら痛い目に合わせるからな」


見た目からして確実にやばそうな人間が二人いたのだが、サッカーって余計な事じゃないよな。


「サッカーやっててもいい?」

「話聞いてたか?」


ダメみたいだ。

(はぁ、ボールはあんのになぁ)


「お前は餌になってもらう。あの吉原組を潰すチャンスなんでな」


やっぱりこういう人って頭が足りてないのだろうか。

俺と美咲が仲良いだけで、美咲の家の組にまで影響があると思っているらしい。


「いや、俺と吉原組関わりないんだけど」

「何言ってんだ、てめぇが吉原組の娘と一緒にいるところは裏が取れてんだ」


俺に対して睨みをきかせているけど、本当に頭が足りなそうだ。

サッカーとかやったら、ボールにしか向かわないイノシシとかになってそうだ。


「お前今、俺を馬鹿にしてたよな?」

「まさか、イノシシにはしたけど、馬にも鹿にもしてない」

「してんじゃねぇか!」


馬鹿にはしていないんだけど、と思っていると俺は思っきり蹴られてしまった。

どうやら煽りすぎたようだ。


「めっちゃ痛い」


「骨くらい折ってやるか」


うーむ、大変なことになってしまった。

足以外なら折られても最悪良いんだけど、足だけはやめて欲しい。


サッカーが出来なくなってしまう。

だか、そこは大丈夫そうで、こいつらが狙いを定めたのは俺の腕だった。


「イッタァァ!ちょ、マジで折れる!」


「折るって言ってるだろうが!」


この明らかにカタギではない人達は本気で俺の腕を折るらしく、鉄パイプで何度も殴られてしまった。


「あ....くぅ...」


何度も殴られた腕は痛みが引かないあたりから、折れるかひび割れるかしている事が俺でも分かった。


(動くだけでクソ痛い...警察早く来ないかなぁ)









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