第9話
「悠ちゃん♪」
手を繋いで登校していると、なんだか後ろから能天気な声が聞こえてきた。
途端に、雷くんの手の力が強まる。
「………何?」
振り向いた私は、きっと般若のような顔をしていたと思う。
せっかく彼氏様が落ち着いたとこなのに話しかけんなよ。
ていうかどっからどうみてもラブラブカップルだろ私ら。
邪魔すんなよバカなのかよ。
「うっわ、声えっろ」
「………は?」
「俺C組の橋本!おぼえといてな!」
「………。」
そういうと駆け足で去っていった橋本とかいうやつ。
後ろにいる友達らしき奴らとギャーギャー騒いでいる。
「ゆうちゃん………」
「大丈夫だよ、あいつら私のこと舐めてるだけ。」
「よくあるの?」
「うん……」
…………残念ながら、私に構いにくる輩は後をたたない。
ちょっかいかけたくなる何かを私が持ち合わせているとは、到底思えないが。
「今度あったら俺にいって?ちょっと注意してくるから」
「うん………ありがと、だいすき。」
「………俺も。」
『ちょっと注意してくる』で済みそうじゃないけど。まあほどほどにしてもらおう。
ていうかあの人、すぐ隣に雷くんがいるのによく私に近づけたな……。
……………度胸だけは認めてあげよう、うん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます