青の書物庫
@chlorine_4989
prologue 色
世界の色は、いつも神社の秘密の箱の中にある。
そんなバカみたいな噂話を偶然、巫女のバイトをしていたねーちゃんから聞いた。
信じようかどうか、ちょっぴり迷った。
でも、探しに行っても行かなくても暇なことはどうせ変わらないんだから、ちょっとくらいいいかなって思って、探しにいくことに決めた。
そして僕は、お祭りの日、神社の御神体である大木の近くに行って、その木の裏を小さなスコップで掘りはじめた。
なんだかそこに何かを感じたような気がしたからだ。
こういうのを、不思議な引力、というのだろうか。
そんなことを考えながら掘り始めると、古びた箱が出てきた。
これがねーちゃんの言ってた、秘密の箱ってやつかもしれない。
箱が古いだけに、鍵もボロボロに酸化してて、簡単に開いた。
なんだかちょっと罪悪感がしたけれど、その気持ちも箱の中身を見てすぐ消えた。
そこには、虹があった。嘘じゃない、冗談でもない、世界中の色を集めたようなのが箱いっぱいに入ってたんだ。
この世界に今まであると思ってた色は、全部偽物だったって思えるほどの、たくさんの色、色…。
僕はそこに飲み込まれて____
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