第2話 幼馴染はヤンデレ?

「さっきのみーちゃん、ちょっとだけ怖かったなぁ」


 みーちゃんと別れ、教室に着いた私は自身の席に座り、さっきのことを思い出していた。みーちゃんはたまに、さっきのような感じになるときがある。目のハイライトが消えて、早口で捲し立てたり、普段のみーちゃんとは全然違う雰囲気になるのだ。

 なんで普段は常識的になのにあんな風になるんだろ?


「陽菜、おはよ」


 そんな風に私がみーちゃんのことについて考えていると、私の高校で新しく出来た友達である千歳ちとせあおいちゃんが話しかけてきた。


「あ!碧ちゃん!おはよ~」

「朝から元気だね。その元気、少し分けてほしいくらい」


 そう言って碧ちゃんは軽く微笑んだ。

 

「そういえば、さっき何か考えてる風だったけど、何か悩み事?」


 私の先ほどまでの様子を見てかそんなことを訪ねてくる碧ちゃん。


「う~ん、悩み事というよりかはと言うよりかは、ちょっとした疑問かな?」

「疑問?それは私に聞いてもいいやつ?」

「うん、大丈夫だよ。えっとね~……」


 私は碧ちゃんにさっきのみーちゃんの様子を話した。ちなみにみーちゃんは私とは別のクラスなので、今はこの場にいない。

 別のクラスになった時はショックだったなぁ。今でも同じクラスだったらって考えるくらいだし。

 そんなことを考えていると、碧ちゃんから思いもよらない言葉が出てきた。


「陽菜の幼馴染ってヤンデレなんじゃない?」

「え?やんでれ?」


 聞いたことのない単語が聞こえてきたので、私は思わず聞き返してしまった。そんな私に碧ちゃんは丁寧に教えてくれる。


「うん、ヤンデレ。簡単に言えば対象のことを異常なほどに愛する人のことを言うの」

「へぇ~、そうなんだ」


 全然知らなかったなぁ。

 …………あれ?好きな人のことを異常なほどに愛する人ってことは……?


「あれ?つまり、みーちゃんが私のことを異常なほどに愛してるってこと?」

「そゆこと。多分だけど、その翠月さんって人は陽菜のことが好きで好きで堪らないのに距離を取られそうになったからそんな風になったんだと思うよ」

「ふ~ん、そうなんだ~」


 私は軽く流した。いやだって、そんなまさか……ねぇ……?みーちゃんが私の事をそんなに愛してるってあんまりにもリアリティーがないし……。もちろん、友達としての好感度はそれなりに高い自覚はあるけどさ……。

 

 そんな風に考え込んでいると、碧ちゃんからため息が聞こえてきた。


「はぁ~、これは重症だね……。まぁ、その内分かるんじゃない?」

「え?どういうこと?」

「さぁね」


 碧ちゃんはそう言って、私の席から離れて自分の席に座ってしまった。

 え?どういうこと?碧ちゃんが言った言葉の意味が全然分からなかったので、私は頭を悩ませた。


「とりあえずヤンデレについてもう少し学ぼうかな」


 私はそう呟き、ポケットからスマホを取り出す。

 碧ちゃんから軽く説明は聞いたけど、もっと詳しく知っておきたいし、自分でも調べないとね。


「えっと……、ヤンデレっと」


 私はスマホで『ヤンデレ』について調べた……のだが、


「あれ?もしかしてヤンデレって創作物でしか存在しない?」


 そう、ヤンデレと調べると小説や漫画などの創作物がたくさん出て来て、現実に関するものはあまり出てこなかった。あと、ヤンデレがする行為についても調べたけどストーカー行為をしてきたり、刺したりしてくるんでしょ?みーちゃんにそんなことされたこともされそうになったこともないし……。


 そうして私は早くも確信した。「みーちゃんはヤンデレじゃない!」と。

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