第9話「双子のパラドックス」
「ミミカ、急にシリアスが始まるけど、良いか?」
「ほぇ?」
ミミカと恋人になってから半年後の話である。私は高度な数学を行使した結果、ある結論に達した。
「ミミカは転校生だけど、前はどこに居たの?」
「……信じてくれないと思うけど、良い?」
私は固唾を飲んだ。いや、まさか、そんなわけが無いと思っていたが、そんな事があり得るのかと疑ってしまった。
「もうバレてると思うけど、ワタシとリナツちゃんは双子で、でもワタシの方が歳下なの」
「……双子のパラドックス。片方の双子を宇宙空間に放り出して、地球に帰還する頃には地球に残ってた双子の方が歳を取っていると言う思考実験……本気でそんな事をするなんて、人権侵害の極みじゃないか!」
私は怒りを隠さなかった。だって、この実験を実証するには、誰かが被験者にならなくてはならないからだ。
それが、ミミカだったなんて、しかも双子の妹で、本来であれば私と同い年になってるはずなのに、ミミカの方が歳下になってるなんて。
誰だ、こんな非人道的な実験をした黒幕は?
よくも、よくも!!
私が怒りに震えていると、ミミカが優しく私の手を握ってくれた。
「私の為に怒ってくれて、ありがとうリナツちゃん。でも、天才数学少女の双子の片割れなら使っても良いって、大人達が決めた事だから」
「ミミカは、怒ってないの? 何年だ? 何年間宇宙空間に孤独に暮らしてた!?」
「たぶん、10年ぐらい。生まれた時から宇宙に居たから、正確な時間は分からない」
私は、気が付いたらミミカを抱きしめて、ある決心をした。
こんな理不尽が許される世界なんて間違ってる。
私は、数学者となって大人達に復讐してやる。ミミカが許しても、私は許さない。
こうして、私は復讐の数学者になる道を選んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます