鉄道職員の日常系です。
初々しさと責任感が強いだけでなく、ユーモアのある新卒社会人の主人公にとても好感が持てます。
いわゆる一般企業とは違いますが、労働者にとっても共感できる部分が多く、読んでいて癒されます。
また作者ご自身が若いということもあり、行間にまで夢や希望に溢れていますが、それらは大きなものというより、前向きに生活することで見つけられる日々のもので、とても現実味があります。
労働系だと社畜に注目されがちですが、個人的にはそういう要素があっても主人公が前向きになるこのスタンスが好きです。
作者の諸事情で一時休載ということですが、再開が待ち遠しい一作です!
念願だった鉄道会社「JR西日本」への就職を果たした新社会人・勝浦礼。新人研修を終えた彼は、中国・四国地方最大級のターミナルである広島駅へと配属される。その日から、彼の鉄道マンとしての奮闘の日々が始まる。
普段、何気なく駅のホームで見かける駅員さん。そんなホームの「立ち番」の方々の苦労が身に染みます。
乗客の乗り降りを目視で確認し、ホームの安全を守るのが、礼の任された「立ち番」という役割。とくに在来線と新幹線が行き交う広島駅では、地元の利用客だけでなく、日本の鉄道に不慣れな外国人も多い。決して称賛されることはないが、数千人、数万人という人々の命を預かる責任ある仕事だ。
春夏秋冬、修学旅行生や帰省ラッシュ、行楽シーズン、年末の大移動と、ホームは休む間もない。猛暑の日も、凍える寒さの日も、礼は電車の安全運行のためにホームに立ち続ける。先輩の教えを受け、同期と励まし合い、鉄道マンとしての仕事の重みと誇りを得て成長していく姿に、「いつもありがとう」と感謝の念を送りたくなります。鉄道は、名もなき駅員さんの不断の努力で成り立っていることを改めて教えられる一作です。
(「レールの上の私たち」4選/文=愛咲優詩)