第41話 冬の帰省②

名古屋に到着し、在来線との乗り継ぎ改札を通り過ぎる前に名古屋土産を購入する。


25分ほどお土産屋さんを見て回り、合計6000円分ほど購入した俺は乗り継ぎ改札を通り、次に乗る列車が来る11番線に移動する。


11番線に移動する前に在来線の改札の前へと移動し、とある人を待つ。


「兄さんお待たせ。少し待たせてごめん。」


と俺に話しかけてきたのは俺の弟の頼人だった。名古屋に住んでいるので俺はここで頼人と一緒に飛騨の方まで移動することになった。


「いいよいいよ。じゃあ乗ろうか。」


そして11番線に上がると、もう列車は止まっていた。この列車は「特急ひだ5号」飛騨古川行きだ。この列車には終点の飛騨古川まで乗り通す予定だ。所定は4両だったが今日は多客が見込まれていたので6両編成になっていた。


もうドアは空いていたので列車に乗り込む。きっぷを見ると俺たちの指定席は6号車の進行方向左側だったので乗り込み、後ろに人はいなかったのでリクライニングを倒して頼斗は窓側に、俺は通路側に座った。そして荷物棚にそれぞれの荷物を置き、とりあえずはゆっくりすることに。


頼人は前の座席に取り付けられていたテーブルを開いて大学の課題をやるらしい。ちらりと見てみると懐かしい課題もあって自分が年をとったんだなぁと実感した。


そして定刻になり、列車は定刻で名古屋駅を発車した。


ここから列車は一旦は大阪方面に戻るが、岐阜からは大阪方面から逸れて高山・富山方面へと向かう。


列車が東海道本線内を爆走している中、俺は小説を読み、頼人は大学の課題を進めていたが、どうやら現代文の課題でわからないところがあったらしく、


「兄さん、ここの問題の解き方を教えてください」


と俺に話しかけてきたので俺は本に栞を挟んで閉じ、問題文を確認した。


そして頼人に説明をしてまた問題を解き始めたのを見て俺は本を読むのを再開した。


それから数分後、列車は岐阜に到着し、大阪からやってきていた特急ひだ25号高山行きと連結した。あっち側の所定は2両だったが今日はあっち側も4両で運転されていたので岐阜〜高山間は10両編成になった。この時点でこの6号車の乗車率は7割程度だが、ここから乗客数が大きく減ることはあったとしても大きく増えることはほぼないだろう。


列車は美濃太田・下呂を経由し、日本一広い市町村である高山市の中心駅である高山駅に到着。


高山で岐阜で連結した4両を切り離してここから先はまた6両で運転することに。


そして列車は高山を発車し、20分もしないうちに終着の飛騨古川に到着。


知らぬ間に眠っていた頼人を起こし、改札を通ると懐かしい人たちが俺たちを待っていた。

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