第3話 都美子は

都美子はうつくしい巫女だった。そして退屈な天使だった。

都美子があるくと足跡から花が咲いた。涙をながすと雨がふった

恋をすると浪が立った。心から怒れば稲妻がふった。


*あーあ、馬鹿らし。

*わかば吸って食べて酒飲んでセックスして寝てりゃいんだよ

*解らん? 生きていることはひとつの奇跡だけれど

*奇跡ってのは退屈だぜ?


都美子は退屈な天使だった。時には小鳥に変身することもあった

都美子は夢見がちな女であった。あまりにも即物的な遊女だった

都美子は室町に遊びに行くことが出来た。友達は全員死んでいた。


*なあ、和御料

*せめて美しく生きるためには何が必要だと思う?

*わかばと飯と酒とコンドーム、それとあと何が必要だい?

*わかるか、和御料?

*俺は巫女として人類を救いに来たんだよ

*ダンス! ダンス! ダンス!

*生きていきましょう!

*と、号令だってさ。


都美子はうつくしい巫女だった。そして退屈なJDだった。

都美子は目を閉じて諸手を二回叩く。花がトランプのように開花する。

都美子は万物の声を聴く。はいはいダンスダンスダンス。

都美子はまず自らの翼を吟味する。どこまで飛べるかの目星を付ける。


*なあ、和御料

*せめて美しく生きるためには、肝要なのは思い出すことだぜ

*世界は踊りたがってるからさ、せめて万葉までさかのぼりましょうや!

*正気に戻ったらオシマイのゲームさ。鼓動はどこまでも高くなるから

*私たちはそれでも生きていける。桜のように開花できる。

*私たちはそれでも生きていける。桜のように散っていけるぜ。

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