第六章「半端物のプライド」――足掻け、自らの存在価値を証明するために――

 ◆

 俺が帰ってきたときには、ヒトデとウサギはすでに椅子に座って待っていた。

 俺の姿を見て、二人が立ち上がる。

 「トンボとKは既に画面の前で待機してっから、あとはオレらが持ち場につくだけだ」

 俺はヒトデに渡された銀ナイフを強く握った。これが俺の命を守る武器になる。差し出されたイヤホンを取り、耳にはめる。

 『I want to know everything』

 トンボの声が聞こえ、俺の視界にマップが表示された。

 ウサギがポケットからのど飴を取り出し、口に放り込んだ。

 「声を喰らい、音に沈む」

 ヒトデに背中を押されるようにして外に出る。

 「じゃ、行くぞ。しっかり掴まっておけよ」

 ヒトデは俺とウサギの間に立ち、腕を広げた。

 「引力操作、心ノ臓」

 いつものように、見えない糸で心臓が引っ張られる感覚がし、俺の体はヒトデに引き付けられた。これまでと違うのは、負ぶられるのではなく、脇に抱えられる形になっていることだ。反対側で、ウサギが俺と同じように脇に抱えられている。

 ヒトデの心臓の強く速い鼓動を感じる。ヒトデは足にぐっと力を込め、一気に走り出した。

 しばらく走ったあと、ヒトデが足を止めた。すぐ近くに駅が見える。しかし、もう電車が出ないため駅は真っ暗でいつもの親しみやすい雰囲気は消え去っていた。他にも、周囲の建物で電気が点いているところはほとんどなく、濃紺のリボンのような空には無数の星がまたたいている。

 「くれぐれも気をつけろよ、ウサギ」

 ヒトデがウサギを地面に下ろした。白銀の月光に照らされたウサギは、その色素の薄さも相まって、さながら月からの使者のようだ。

 ウサギが姿勢を正す。

 「ヒトデたちこそ、どうかご無事で」

 そして、暗闇の中に駆けだしていく。その姿が見えなくなるまで見送った後、ヒトデは体の向きを変えた。

 そして、俺も一度地面に下ろされ、ヒトデと背中合わせになるようにされる。

 「少し走るぜ」

 そう言い終わるころには、すでにヒトデは走り出していた。俺の手足がぶらぶらと揺れる。

 「もうそろそろだ。準備しろ」

 ヒトデにそう言われ、俺は「何がだよ」とヒトデを振り返った。

 「やぁ、風見翔太朗くん」

 名前を呼ばれ、前を向く。

 「ユズマ、レン……」

 俺の目の前には、ユズマとレンが立っていた。正確に言うと、浮かんでいた。俺は咄嗟に銀ナイフを突き出す。しかし、ユズマの体には届かずナイフは空を切った。

 もう一度刺そうと振り上げた手を下ろす。

 「僕らは二人でひっそりと生きていきたかったんだ。その邪魔さえしなければ、風見翔太朗くんを殺さなくても良かったのにさ」

 残念そうにそう言ったあと、ユズマは大げさにお辞儀をした。

 そして、顔を上げる。

 「幻影展開」

 その横のレンが何か祈るような仕草をする。

 「永遠(とわ)を捧ぐ」

 そして、二人の姿はふっと消えた。

 背中越しでヒトデの舌打ちが聞こえる。

 「来やがったか。おい、翔太朗。今のが夢幻の二人組で間違いないな?」

 俺は頷いた。

 「ああ」

 「水天(すいてん)一碧(いっぺき)」

 聞いたことのある声がして、俺の体が水中にいるかのようにぐっと重くなった。

 俺は後ろを振り返る。そこには、俺が初めてヒトデたちと共に倒した女の吸血鬼がいた。

 「ヒトデ! この能力は水中にいるように体が重くなるものだ」

 「わかってっから、お前は敵が近づいてきたときに殺せるように集中しろ」

 周囲の建物は高階層のマンションばかりだ。

 両足で踏ん張ったあと、ヒトデが思い切り飛び上がった。能力を使っているのだろう。ぐんぐんと高度が上がる。それに従って、俺の体も軽くなった。

 「やっほぉ、また会うことになるとは思ってへんかったやろ?」

 俺たちは上を向く。

 「コンストラクション」

 ちょうどヒトデが着地しようとしていたところには、既に先客がいた。よれよれの白衣に、特徴的な関西弁。間違いない、俺がユズマたちにさらわれる前に戦っていた吸血鬼だ。あの女の吸血鬼と共にいるということは、あの後ヒトデたちはコイツを無事殺せたらしい。

 ヒトデは咄嗟に身をよじり、白衣の吸血鬼の攻撃をかわした。

 「ったく、またアイツかよ」

 ヒトデが相手の攻撃を避けるため、次々と体勢を変える。胃がぐるぐるとなり、酔いそうだ。

 それにしても、俺が見た時のレンの死体操作はここまで細かな動きができるものではなかった。暗くなるにつれて精度が上がると言っていたので、午前中だとあのゾンビのような動きをさせるのが限界なのだろう。

 「オレがあの女の吸血鬼の動きを止めるから、お前が殺せ、翔太朗」

 「死体は誘導するんじゃなかったのか?」

 「一度心臓を刺してみる価値はある。それで殺せそうだったら、二匹とも殺す」

 「わかった」

 俺は頷く。

 「あの白衣野郎の能力によってできた安全地帯に入った瞬間が合図だ。オレが能力を解除してお前を地面に下ろすから、お前は女の吸血鬼のところまで走って行って刺せ。刺した後は、殺せたかどうかに関わらずすぐに戻ってこい。動きを止められる時間は長くないから、急げよ」

 「安全地帯なんてあるのか?」

 俺は拾遺を見回す。建物の影になりそうなところはあるが、あの白衣の吸血鬼がこちらまで移動してくると意味を成さないように思える。

 「あいつの能力は、一度発動して空気を固めるとあいつの意思では解除できず、日光にあたって能力が自動的に解除されるのを待つしかねぇ。だから、慎重に考えて能力を使う必要がある。生前はそれができていたが、今は操られているからところどころ安全地帯になるような場所ができちまっている。オレらはそれを利用する」

 高度を下げたヒトデがゆっくりと地面に下りた。それと同時に、俺も地面に下ろされる。

 目標である女の吸血鬼はすぐ近くにいる。

 ヒトデは女の吸血鬼に向かって手を伸ばした。

 「引力操作、心ノ臓」

 ヒトデがゆっくりと手を握る。

 「破」

 その瞬間、こちらへ走ってきていた女の吸血鬼が足を止めた。その場に立ちすくむ。

 俺は全速力で吸血鬼の方に走って行った。

 女の前に行き、ナイフを振り上げる。

 「すまない」 

 俺は力いっぱい女の心臓を銀ナイフで刺した。

 そして、すぐにナイフを引き抜いて向きを変え、ヒトデの方に走って戻る。

 ヒトデは苦痛で顔を歪めていた。

 俺が帰ってきたことに気づいたヒトデが、固く握っていた手を開く。

 「が、はっ」

 ヒトデがせき込むと同時に、女の吸血鬼が地面に崩れ落ちた。ヒトデが大きく深呼吸する。

 「殺せたみたいだな」

 『そうだね。とりあえず吸血鬼は心臓を破壊したら動きを止められるっぽいから、吸血鬼だけは殺していくのもありかもね』

 トンボの声が聞こえた。

 『ウサギの陽動の準備は完了しているから、いつでも大丈夫だってさ』

 ヒトデがイヤホンに手を当て、「了解した」と言った後、俺の方を振り向いた。

 「っつーことだから、とっとと残りの吸血鬼も片付けんぞ。さっきのやつをもう一度するとオレの体力がもたねぇから、お前を囮にする」

 「わかったが、さっきのはどうやってたんだ?」

 ヒトデが前を向いた。心臓の拍動を感じる。

 「オレの能力のもう一つの使い方として、相手の心臓の動きを止めてその間動きを封じるってものがあんだよ。ただ、その間オレの心臓と動きも止まるから、基本はこの使い方はしねぇ。諸刃の剣なうえ、オレにかかる負担も大きいからな」

 「そうか」

 「ああ、オレとお前の間にヤツが来た瞬間、オレがお前に能力を使うから、その時にヤツの背中側にいた方が刺す。いいな?」

 早口でそう言われる。頷くと、背中を押された。

 「ここから先は安全地帯でない代わりに、ヤツの能力も展開されてねぇ。お前は直線的に走れ。そうすれば、ヤツは攻撃しようと近づいてくるはずだ。ヤツの能力は攻撃には使えねぇから、お前を殺したければ近づく以外術がねぇからな」

 俺が頷いたのを確認すると、ヒトデは一気に上昇し、見えなくなった。

 俺は一気に走りだす。足音が誰もいない夜の街に大きく響く。

 「あらま、あの人倒されてもたんや。ボクが敵討つしかないやん」

 後ろで声が聞こえ、俺は振り向いた。

 白衣の吸血鬼がすぐ後ろまで来ている。先ほどまでは遠いところにいたはずなのに、まるで瞬間移動してきたようだ。 

 俺の疑問を悟ったように、白衣の吸血鬼が笑う。

 「幻影展開忘れてもてたん? お気の毒やなぁ」

 つまり、先ほどまで見えていた白衣の吸血鬼の姿は幻影だったということか。ユズマとレンの能力の相性が良いと言われている理由がわかった。

 いくら俺が俊足だと言えども吸血鬼の身体能力に敵うはずはなく、あっという間に腕を捕まれる。強靭な力で握られ、身動きがとれない。死体特有の冷たさに思わず顔をしかめた。

 白衣の吸血鬼が顔を近づけてくる。

 俺はまだ死ねない。

 吸血鬼の真っ赤な目を睨む。

 だが、吸血鬼が俺を噛むことはなく、口を耳元に寄せてきただけだった。

 「なぁ、キミは無傷で捕えろってお達しが来てるねんけど、キミは一体何なん? 何をしたん?」

 どうやらこの吸血鬼は俺のことを殺したいわけではないらしい。俺は首を横に振った。

 「知らないな。そんなことは俺が聞きたいぐらいだ」

 「まぁそうよな。とにかく、そういうことやからキミにはこのまま付いてきてもらうで」

 吸血鬼に腕を引っ張られる。あまりの力の強さに、腕がもげそうだ。

 「もらったぜ」

 ドスッという音がして、俺の腕を握る力が消えた。

 白衣の吸血鬼が力なく倒れる。 

 ヒトデが屈みこみ、銀ナイフを吸血鬼の背中から引き抜く。

 どろりとした血が地面に落ち、赤黒い染みを作った。

 「やるじゃねぇか、翔太朗」

 ヒトデが銀ナイフに付いた血を服で拭った。銀色の刀身が月光を反射し怪しく光る。 

 「俺は何もしていない」

 本当に何もしていなかった。ただ、吸血鬼に腕を捕まれていただけだ。

 ヒトデが俺に背を向ける。

 体が引っ張られる感覚がし、再び背中合わせの状態になった。

 「そんなことは誰も気にしねぇよ。吸血鬼を始末できたっつー結果が全てだ」

 体が上昇し、地面が遠のく。

 『はあい、生きてる? この先、敵に行く手を阻まれてるから気をつけてね。おれはウサギのナビゲートしてるから、何かあったら呼んで』

 トンボの声に、ヒトデがチッと舌打ちする。

 「こんな時だっつーのに、呑気な声しやがってよ」と悪態をつくが、その声は楽しそうだ。

 ヒトデがマンションの屋上に着地する。この辺りで一番高いところだ。

 「これは想像以上だな。魅せてくれるじゃねぇか、夢幻。さすがは成功体だぜ。びびんじゃねぇぞ翔太朗。オレらは今からこれを殲滅すっからよ」

 ヒトデの感嘆の声に、俺はヒトデの背中越しに後ろを向く。

 そして、絶句した。

 道路一面を埋め尽くすようにして人がいる。道路上だけではない。電信柱の上や建物に張り付くようにして人がいた。人間では立てないような場所にいる者は、吸血鬼かその幻影なのだろう。

 どれが死体で、どれが幻影かの見分けがつかない。死体と幻影により、無限にいるように見せかけることができる兵士たち。視覚で絶望を訴え、嗅覚で死を匂わせる。

 「はっ、失敗作なりのプライド、見せてやんよ」

 ヒトデは屋上の柵の上に立った。

 「参る」

 そして、そのまま屋上から飛び降りる。

 落ちていく勢いを利用し、まずは電信柱の上に立っていた死体の心臓にナイフを一刺。体をひねってナイフを引き抜き、後ろに迫ってきていた死体の心臓に一刺。

 地面に着地するまでのわずかな間に腰のバッグからもう一本銀ナイフを取り出し、着地と同時に両サイドにいた敵に二刺。

 道路にごった返しになっている死体を次々と一刀両断にしていきながら、俺たちの通る道を作っていく。

 人間をはるかに超える身体能力と、研ぎ澄まされた集中力で、敵をなぎ倒す。武器が銀ナイフ二本のみだとは到底思えない。吸血鬼の死体だろうと、能力を発揮される前に倒している。

 それは、戦闘ではなく蹂躙だった。

 敵を倒しながらであるのに、ヒトデの走るスピードはいつもとほとんど変わらない。

 まるで、鬼神だ。

 返り血で全身が赤く染まったヒトデが俺の方を振り返った。

 「もう少しで、オレとトンボがトラップを仕掛けたポイントだぜ。想像よりも数が多くて全部始末することはできねぇが、上手く敵の注意を引き付けられてるし、かなりの数を減らすことはできるはずだ」

 夜の闇よりも黒いヒトデの髪の毛から、返り血がぽたぽたと滴っている。俺たちが通ったあとには、ヒトデの真っ赤な足跡が点々と続いていた。俺たちを追って、大量の死体がこちらに向かってきているのがわかる。

 文字通り、死者の行進だ。

 背筋が凍り付きそうなその光景に、俺は咄嗟に銀ナイフを強く握りしめた。

 飛びかかってきた死体に、銀ナイフを強く刺す。手ごたえは感じられず、死体の幻影は空気に溶けるように消えた。

 この死体のうち、どれぐらいが幻影なのだろうか。俺が見たときのレンの操り方だと、それほど多くの数を一度に操るのは難しいはずだ。

 俺が後ろを振り向くと、トンボが買い取ったらしい例のビルが見えた。

 『ヒトデ、翔太朗くん。二人がポイントに到着したから、爆破までのカウントダウンを始めるよ』

 『十』

 ヒトデが長く口笛を吹いた。ただでさえ俺たちを狙っていた死体たちが、一斉にこちらをよどんだ眼で見てくる。

 『九』

 追ってくる死体の攻撃をかわしながら、ヒトデは体勢を低くする。そして、例のビルの中に駆けこんだ。

 『八』

 俺たちの後を追って、大量の死体がビルの中に流れ込んでくる。

 『七』

 奥にある階段をヒトデが全力で駆けあがった。一段飛ばしどころではなく、踊り場までを一歩で飛びあがる。

 死体も同じようにどんどんとビルの中を上がっていく。

 『六』

 屋上までは残り半分の高さだ。ヒトデの心臓がより強く拍動しているのを感じる。

 『五』

 すぐ近くまで迫ってきていた死体を、俺は思い切り刺した。ぐしゃりと嫌な音がして、どろりとした血が俺の頬に付く。

 『四』

 屋上のドアが見えてきた。

 『三』

 ドアをタックルで壊し、俺たちは屋上に出る。穏やかな月光の中に照らされ、真っ赤に染まったヒトデは死神のようだ。

 『二』

 ヒトデが俺を振り返り、大胆不敵に笑った。

 『一』

 そして、助走をつけ、屋上から飛び降りる。

 『ゼロ』

 俺の視界の中で、先ほどまで俺たちがいたビルが派手に爆発した。聞こえてくるはずの爆音は一切聞こえてこない。ウサギの能力によるものだろう。

 一瞬視界が明るくなったあと、身を焦がすような爆風が近づいてくる。

 それから逃げるように、ヒトデは思い切り何かを手繰り寄せるような仕草をした。

 背中がぐっと引っ張られる感覚がし、ものすごい速さでビルが遠のいていく。

 「このまま一気に夢幻のいるところまで詰めるぜ。覚悟しろ」

 低い声でヒトデがそう言い、何やら手を動かしながら空中を移動する。

 ゆっくりと地面に着地し、ヒトデは走り出した。俺の走るスピードとは比べ物にならない。

 俺の視界には、もう死体も幻影も映らなかった。ただ、誰もいない道を通る。

 急に、周囲の街並みが俺の見慣れないものに変わった。

 そんなはずはない。ここは俺の街だ。隅から隅まで知っている街。

 夜が朝に変わる。

 先ほどまで俺たちを照らしていた白銀の月光は柔らかな日差しに、暗かった夜空は突き抜けるような青空に。

 無機質だった建物は、温かみのある港町の光景に。

 俺がかつて見たことがないほどに綺麗な街だ。あちこちに木や花が植えられており、緑を感じさせられる。

 まさに、夢や幻のような街。

 俺は視界に表示されるマップを注視した。マップも、ユズマとレンの居場所を示す点の位置も、先ほどと変わっていない。 

 つまり、今俺たちの目の前に広がる光景は、ユズマが作り出したものだということだ。

 ヒトデが舌打ちした。

 「幻影を使うと聞いていたが、まさかこれほどだとはな」

 ヒトデはそのまま直進する。マップによると、ユズマたちがいるのはもうすぐそこだ。

 俺は後ろを振り返った。ヒトデの背中越しに、俺が連れ去られた廃教会が見える。廃教会と言っても、俺が見たものより随分と綺麗で、まだ建てられてから年月が経っていないように見える。

 「ヒトデ、止まってくれ。どうやら俺が殺されることはないらしいから、背負われる必要はないし、ヒトデは一人の方が動きやすいだろう」

 そう言うと、ヒトデは立ち止まり、黙って俺を地面に下ろした。

 目の前にそびえ立つ教会にゆっくりと近づく。

 俺たちが近づくと、教会のドアは勝手に開いた。


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