第29話 一番弟子さんは必死にしがみつく 【修行イベント】


 キュイイイン ♪


 ひさびさ暗転したぞ!


 あ、まだ2日目だった。昨日から何回暗転しているんだ?


 えーと、これは3つ目の【修行イベント】だ。(うさこMもカウント)


 いま、一番弟子の【モブ子さん】は決死の覚悟で、オレを抱きしめてくれている。


 なぜ決死かというと、このムニ世界という概念世界は【刀剣少女の学園MMO RPG】、そしてモブ子さんは【乙女ゲー】ヒロインの主人公少女ポジでもある。


 彼女から見たオレ【師匠】くんという存在は、彼女が獲得できた期間限定☆3そしてSSSの【師匠】さまというポジみたいだよ?


 更に言えばこの世界は、上位世界の観測を防ぐ【暗転】でもご理解いただけるように? オレと少女たちの絆がぐっと深まる【特殊イベント】が発生する。


 そう、ここはあのゼロ年代の伝奇美少女たちのような概念世界でもあるんだ。(すこしライトで、16歳以上のイベントが体験できるような)


 つまり、お互いの好感度が高いと、暗転するイベントがたまに発生していく。そのエピソードのピークは、とても清らかな温もりの、二人だけの記憶となる。


 そう【ラストシーン】その最高のエピソードで、絆が120%の【思い出】となり、【エンディングロール】が始まってしまうらしいのだ。


 いや、未知の演算領域なので、実際どうなるかは不確定だが、モブ子さんは口にしないだけで、彼女にマスクされている修行イベの【アルバム】の空きパネルが、なんとなく予測シミュレーションできているらしい。


 クールで頑張る一番弟子さんの、最高の修行場面として、いつかオレとふたり、【静かな儀式】が始まる。


 どうやら二人ボロ泣きで、猛稽古の成果を確かめ合う、そんな温もりと別れ、そして旅立ちの場面がアルバムの空きパネルから予測されているようなのだ。


 いまのオレは、そんなことは露知らず、彼女の成長に触れて心打たれるばかりなんだ。


 という長い前置きで、いまはそのフラグ突入を避けたい【一番弟子】さんが、オレのバグ神気を必死で受け止めているッ!


 オレから彼女へと光の粒子が次々と流れ込んでいく!


 モブ子「第2チャクラ駆動開始!くぅぅッ!」


 彼女は必死にオレの胸に体を寄せ、いくつものうねりに耐え続けている。


《挿絵》


 https://kakuyomu.jp/users/yatoya_yk/news/822139837202846948



 モブ子「んんッ」


 のっのっのっ


 そそそそ


 オレもまた、彼女を支え続ける……


 世界がキラキラ輝いている……


 のっのっのっ


 そそっそそっ


 やがて、彼女は吐息を吐く。


 システムメッセージ:一部キャラクターのアップデートが開始されました。


 モブ子は、《2つ目のチャクラをコントロール出来るようになりました》


 モブ子と師匠は、《MOV戦スキルがレベル2になりました》


 アルバムに、《修行シーン》ビジュアルが追加されました。


 以下次回に つづく


 ───────────────


 火槌匠のストーリー書きながら、あっここ修行イベやん!?と気づいて、あわてて差し込みました。


 おかしいな、7つのチャクラまさか学園初日で1コ解放するとか考えていなかった。


 でも、この作品の叡智シーンって奇跡ですよね?


 ずっと尊い。


 それが狙いでもあるのだけれど、創作論の方で自分でも掘り下げてみたいです。


 他のコでもそうなるようがんばります。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る