第三話 部活と迎えた三連休

「それじゃあ三連休だけど、来月のテストも迫ってきてるんだから勉強怠らないようにな〜」


『あ〜い』


「今日は号令いいからさっさと帰れ〜」


「うへぇ、やっと一週間経ったぁ…!」


あれから一週間。特になんとない学校生活をなんとかやり過ごした明太は、椅子の背もたれに身を預けて大きく身をのけぞった。

教卓に立つ先生は雑に終礼を省いてみんなに下校を促すと、資料やら日誌やらを抱えてさっさと教室を出ていってしまった。

一方の明太も自席にかけた鞄を肩にかけて席を立ち上がると、後ろから肩をトントンと叩かれる。



「おいっす明太〜。今日は部活あんのか〜?」


振り返ると拓実が片手に持ったスマホで何かを検索しながら立っていた。


「おう拓実。今日は普通に夜まで部活だよ。」


「なんだよ〜行きたいとこあったから連れ回そうと思ったのに。…まぁお互い頑張ろうぜ。俺も生徒会レギュラー頑張るからさ」


明太の返事に対して、スマホから目を離すと不満そうな顔をする拓実。どうやら行きたいところを見つけたらしく、こういう時はいつも明太を連れ回すのだが夜まで部活の予定が入っている当人にそんな余裕はなかった。


「何言ってんだか。生徒会レギュラーの仕事はせいぜい学園祭の催しくらいだろ全く。…じゃあな。」


「ちぇ、可愛くねーやつ。…じゃな〜」


部活の開始時間も迫っていたので、拓実との冗談話を早々に切り上げると軽く手を振りながら足早に教室を出る。


(今日は自主練できる日だけど帰ってしないといけないし…いやぁでももうすぐテストで—————あ〜やりたいことがいっぱいだ〜)


やりたいことを考え始めると、止まらなくなってしまう明太。校舎の玄関に着くと、上履きを脱いで下駄箱に収納する。靴に履き替えてかかとを整えると、まだ青い空の外に出る。部活のない生徒がゾロゾロと帰宅する列に混ざって校舎のほぼ真正面に建てられている体育館の玄関で靴を脱ぐ。


「ちわっす!」


今日も今日とて、部活の始まりである。


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「おい明太!足が動いてねぇぞ!それじゃあフェイントフォローに遅れんだろ!」


「…ハァ、ハァ、っうっす!」


時刻は午後七時を回った頃、バレー部以外が帰宅した体育館に怒声が響いた。

部員はみな監督のボール出しに息切れして、膝に手をついていた。

県内ベスト4であることも相まって、明太が入学した頃からやたらとスパルタになったらしい。(先輩談)

最初の方は入るタイミング完全にミスったと後悔していた明太だが、最近レギュラーに選ばれてモチベーションがちょうど爆増していた。


「…じゃあこれラストな。ー終わったらネットだけ畳んでさっさと帰れ」


『はぁい!』


顧問がコートを後にして、体育館の入り口近くにある教官室に戻っていった。

皆各々で、ボールをボールケースに戻すとネットを畳む作業に入った。


「残りの奴らはダウンしとけー特に下半身伸ばすようにな」


『うぃ〜す』


「お〜い明太、ダウンやろうぜ」


「おう」


体育館に明太は寝そべると、ダウンに誘ってきた今田いまだにキャプテンに言われた下半身を重点的に押してもらった。


(帰ったら風呂入って〜そっから夜ご飯食べて〜そんで————)


部活が終わるや否や、帰ったら何をするのかを考え始めた明太。

いつもこのダウンの時間はチームメイトと練習の振り返りをするのだが、今日限りはそんなこと頭の片隅にもなく、彼の頭にあるのは今週末のことだった。

なんせ、


———————————


お疲れ様です。今物語はこう言った学校の日常パートも少し取り込んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いします!!

面白い!続きが気になる!と思っていただけましたら、⭐︎や♡で応援していただけると嬉しいです!!!

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