14 中央貴族邸潜入作戦 その2
※軽い性的表現が含まれます。ご注意ください。
「あの…」
「貴様ら何者だ。ここは中央貴族クレモンティーヌ卿の邸宅であるぞ。」
「シエル・クレモンティーヌ様のクラスメイト、リオン・エトランゼとリュイ・エトワールです。本日はシエル様に、こちらに招かれて伺いました。」
俺の知る限りで一番敬語的な表現を用いて、俺は衛兵たちに一礼した。
リュイも俺と同じように一礼する。衛兵たちは二人でしばらくの間話した後、
「シエル様のお友達でいらっしゃいますね。もうすぐ来られるかと思いますので、中に入られてお待ちください。」
と、衛兵の一人から丁寧に言われた。
「ありがとうございます。」
「あ、ありがとうございます!」
二人で礼を言ってから、鉄柵の門をくぐり、敷地の中に入る。
中にはたくさんの植物が生えており、そこかしこから花のいい匂いがする。
植物園にきたような気分だ。
「優しそうな人でよかったぁ…」
「リュイ、さっきからめちゃくちゃ震えてるけど、大丈夫なのか…?」
「大丈夫…だよっ…。怖かったけど…。」
少し強がっているところを見ると、多分大丈夫だろう。
リュイの頭に右手を持っていって、黒い髪の上から頭を数回撫でた。
「二人とも~!」
正面の方から声がしたので見ると、いかにも貴族のような服を着たエルがこっちの方へと走ってきた。
オレンジ色の髪の毛は今日も健在だ。
「おはようエルくん!」
「リュイくんおはよ~!リオンくんも!今日はわざわざありがとね~」
「まさか本当に家に遊びに来れるなんて思わなかったよ。こっちこそありがとな。エル。」
「それにしても広いね、、、ここがお庭なの?」
「うん!庭師の方がお手入れしてくれててね。僕も大好きな場所だよっ!小鳥さんもたまに見れるんだ~。」
中央貴族ともなれば、家の中にこれほどの庭があるのか…。
エルに案内されるままに、舗装された石畳の道を歩いていくと、先ほど外から見えていた大きな屋敷が見えてきた。
まさに宮殿というか、ヨーロッパの遺跡や昔ながらの海外大学なんかをイメージしてもらうと近いかもしれない。
建物の所々に蔦が生い茂っており、荘厳な雰囲気を醸し出している。
「お邪魔します…」
「どうぞ~」
重厚感のある木造のドアから中に入ると、大きなシャンデリアが頭上に見える。
壁にも緻密な彫刻が施してあり、周りには豪奢な木造の家具が並べてあった。
そしてあたりを見渡しても、建物の終わりが見えないほどの空間が広がっていた。
別の部屋には、使用人だろうか。メイド服のようなものを着ている人の影もあった。
「僕のお部屋は2階だから、そのままついてきて」
玄関の正面にある木造の階段を上がると、いくつかの部屋が並んでいる2階へと到着した。
廊下を少し歩いて右側の部屋のドアを開き、中へと入る。
「うわぁ…」
俺たちの部屋より2回りほど大きいだろうか。
部屋の真ん中には大きなベッドに天蓋がついており、まさにアニメなどで見たことのあるそれだった。
角の方には勉強机のようなもの、そしてその周りには本がぎっしり詰まった本棚がたくさん置いてあった。
「ごめんねえ狭い部屋で…。広いのは全部兄さんたちが使っちゃってるから」
「狭い…?」
「これで…?」
俺たちはレベルの違う謙遜、いや、それが謙遜なのか、はたまた天然なのかはわからないが…、に呆気に取られた。
見たことのない家具、見たことのない本。これが貧乏人の気持ちか、、、と改めて実感させられた。
「あっ、エルくんの鞄だ」
学校に持ってきている手提げ鞄が勉強机の隣に置いてあった。
「いつもここで勉強してるのか?」
「うん。家庭教師が来てくれる時もここでやってるよ。実は今日も夕方からあるんだよ…ね、、」
語尾にあまり元気がなかった気がする。
ふーむ。これは何かありそうな予感。
「エルくんは三男なんだよね?お兄ちゃんが二人いるんだ」
「うん。一番上のお兄ちゃんは今高等部の2年生。2番目のお兄ちゃんは中等部の3年生だよ。」
すると一番上はこっちで言う高校2年生で17歳。2番目は小学校6年生にあたるのか。
高校生の方は…。おそらく青年という感じなのだろう。それよりも2番目の方が気になる。
ショタは第二次性徴期が一番かわいいのだ。
体の変化や心の変化が表面化する時期は、長いように見えて実は一瞬。
例えるなら、未熟な蕾の状態から、開花してはすぐに散る桜のような存在なのだ。
「ごめん、ちょっとお手洗い借りてもいいかな?」
お部屋紹介が一通り終わると、リュイが恥ずかしそうに言い出す。
さっきからちょいちょいモジモジしていたのはそのせいか…。
「もちろん。案内するよ。」
「じゃあ俺もついていこうかな」
エルの部屋から出て、まずは左に曲がり、先ほどの階段を通り過ぎる。
2階の廊下を端っこまで行ったところのドアを開けると、そこがどうやらトイレになっているらしい。
「じゃあ、僕はお部屋で待ってるね」
「ごめんね…。わざわざありがと!」
エルが歩いて部屋の方に戻ると、リュイもドアを開けて中へと入っていった。
ちらっと見かけたが、うちとは比べ物にならないほど綺麗に作られていた。やっぱりお金持ちは違う。
1分もたたないうちにリュイが出てきたので、二人で部屋に戻ろうとした…のだが。
「その…リオンくん、、お部屋、覚えてたり…する…???」
「…覚えてない」
2階には同じような部屋がたくさん。
ドアの模様まで同じ中、どれがエルの部屋かがわからなくなってしまったのだ。
ただ待っていても何も起こらないので、ひとまず先ほど登ってきた階段のほうまで戻ってきた。
「確か、さっきここを曲がって、、右側のお部屋だったよね…。」
階段を登った先、右側の部屋は2つある。
このどっちだったかを俺たちは覚えていない。
「確か、左の部屋じゃなかったか?」
「ええ、右の方に入って行ったと思うよ…?」
しかも二人の意見が食い違ってしまった。
間違えた部屋を開けると、もしかしたら貴族のお偉い人が何か怪しい会話をしているのかもしれない。
その時には
「こいつら会話を盗み聞きしておったな!殺せええ!」
って捉えられて処刑されるに違いない。
ここは慎重に選ばなくては…。
「んん…こっちだと思ったんだけどなあ…。」
「絶対こっちだよ!ちょっとだけ覚えてる!」
「リュイがそこまでいうなら…。」
ということで、右側の部屋に入ることにした。
この時念のため、ノックをしなかったのは俺が悪かったと思う。
ガチャ、という音の後に、扉が開いた。
そのさきは、先ほど入ったエルの部屋…ではなかった。
本棚や勉強机の配置は似ているが、ベッドに天蓋がついていなかったり、小さいボールが転がっていたりと、エルの部屋とはまるで違っていた。
その中でも特に違っていたのは、人がいたことだ。
俺たちは、勉強机の前に座っていた人影と目があった。
エルと同じオレンジ色の髪の毛の下には、眼鏡がかかっており、身長もエルより一回り大きい。
勉強机の隣には、少し使い古された手提げかばん、そして勉強の途中なのか、机の上には筆記用具が置かれていた。
エルと同じように、上には貴族が着ていそうな服をすらっと着こなしている。
しかし、その下はそうではなかった。
何も着ていなかったのだ。
「ひぁっっ、、、」
部屋の主が声を出す前に、俺は素早くドアを閉めた。
そしてリュイと一緒に、俺が先ほど入ろうとしていた左隣の部屋の中に、逃げ込むようにして入った。
「お、おかえり…どうしたの?そんなに急いで」
今度は先ほど一通り見たエルの部屋に間違いなかった。
ベッドにはエルが座っていた。
手を引っ張られてきたリュイはキョトンとしており、何が起こったのかさっぱりわかっていないようだった。
けど、俺たちは見てしまったのだ。
あれは間違いない。
男の子のオナニーだ!!!!!
続く
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