第34話

「何コレ?」


分からない事は分かる奴に聞く、これ常識

そして、返ってきた答えがコチラ


虚無鱗きょむりんです』


…うん、だから虚無鱗って何!?

分かんねぇよ!と、思ったのだが…周りがやけに静かだ。皆、どうした?

お義父アレイスターさん、貴方はどうして、

悟りを開きそうな顔をしてるんですか?

お義母ミレイさん、「バランスが…」って何?

サニー、聞こえたよ?

「もう、どうにでもなぁれ」って、

どういう意味?コレを一番望んだのはお前だよな?最後に執事長ガット、お前もしかして、笑顔のまま気絶してる?え?どういう事?そんな大事なのコレ?

俺はカオスドラゴンに何故、周りがこんな反応をするのか聞いてみた。…周りに聞き辛かったからな。すると…


『それは私の鱗の性質を利用した魔道具が便利だからでしょう』


との事。

いや、ただ便利なだけでこの反応には

ならんでしょう!?


「…あんまり聞きたくないけど、その鱗の性質って?」


『私は光と闇の性質を併せ持つ存在です。そんな私の鱗ですから当然、光と闇の力が宿っています。そして光と闇は完全に

混ざると〝無〟になるのです。私とて

消えたくは無いですから自分の力が完全に混ざらない様に日頃から調節して〝混沌〟にしているだけなのですよ。ですが、魔族の皆様…だけでなく、この世界の

ありとあらゆる種族の王族や貴族は

〝混沌〟では無く〝無〟を欲するのです。主に邪魔者の力を封じる為に…』


邪魔者の力を封じる…もしかして


「あ〜、我が婚約者サニーさん?スキルを封じる魔道具の原料って、もしかして…?」


「はい…その原料こそが、虚無鱗です。

でも、今まで使われてきた虚無鱗は

カオスドラゴンの体から抜け落ちた物を

使っていました。要は抜け毛です。

それでも十分な効果が得られるのです。

それなのに…わざわざカオスドラゴンが

自分で鱗を引き抜くなんて…その効果は

どんなモノになるのか…正直、恐ろしくて使いたくありません」


マジか…そこまでなのか。どうしよう…

差し出されたから、つい受け取っちゃったその数…十五枚


         スッ


「ん?どうしたんですか?お義母ミレイさん?手なんて挙げて?」


「レオ君はまだ知らないだろうから説明

しようと思ってね?虚無鱗って受け取りに行く時は私達魔族は必ず大魔王達の全員、もしくは大魔王達が自分達で選んだ代表者達が行かなければならないのね?そうする事で虚無鱗をどこの勢力が何枚受け取ったかを他の勢力が把握出来るから。たまに

外交なんかで虚無鱗を要求する事もあるし、虚無鱗自体が抑止力になるのよ。

でも、今回の場合は私達『怠惰』の勢力

だけが知っていて、しかも力がしっかり

残っている物だから…冗談抜きで使い方

次第でこの世界…は言い過ぎね。でも、

カオスドラゴンより弱い存在が纏めている領地や国をレオ君のモノにする事が可能になったわ」


「いや、だから要らないんだって―」


「私からもよろしいでしょうか?大魔王様」


「もう、お腹いっぱいなんですけど…何?」


「抜け落ちた虚無鱗で一時的にスキルを

封じる事が出来ますが…では、つい先程

までカオスドラゴンの体に生えていた

〝その鱗〟では〝何〟を〝いつまで〟

封じられると思いますか?」


…………………………………………え?


「…カオスドラゴンよ、私の質問に正直に答えて欲しい。これは〝何〟を〝いつまで〟封じられるのだ?」


いやいや、そんな恐ろしいモノじゃない

だろ?だって、弱体化させてって言ったら

出してきたモノだし、そんな俺の思いは………届かなかった


『ふむ、この虚無鱗ならば…加工次第ではあるが全てのステータスを身に着けている間だけ0にする物が出来るハズだ』


嘘だろ…?


「マジかよぉぉぉおおおおおおおお!!」


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

よし!これで書類仕事が出来るな!主人公レオ!…まぁ、お前からしたら

地獄だろうがな…続きが気になる方は

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