眠り姫
まぶたの裏で
あなたが笑う
優しい声が夜に響く
触れられないのに
何故か一番近くて
時は止まる
薔薇は枯れる
誰かの涙も届かない
この夢だけが
わたしの現実だった
どうか起こさないで
この夢が続くのなら
目覚めのキスなんていらない
あなたが隣にいるなら
偽物だって構わないの
夢の中だけでも私を愛して
どこか冷たくて
目覚めた時に
あなたがいないのが怖かった
“幸せになって”と
誰かが囁いた
でも
それがあなたじゃないなら
わたしはこのままでいい
どうか、触れないで
この夢は壊れやすい
連れてこないでほしいの
ガラスのように儚くて
それでもあなたはここにいる
永遠に眠らせて
お願い
白いベールの下
小さく笑った
“待ってる”なんて嘘
でもまだ
あと少しだけでも
夢を見ていたいの
どうか目を覚まさせないで
この恋が嘘でもいい
心があなたに抱かれてるなら
明日なんていらない
終わらない夢の中で
ずっと眠らせて──
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2025/07/08
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