第七話 三人で昼食

 その後も順調に進んで行き、お昼になったのでご飯を食べつつ休憩です。

 アイテムボックスの中には米も入っていたけど、ここは手軽にパンにお肉を焼いたものと野菜を挟んでサンドイッチにしてみよう。


「お兄ちゃん、ちょうど良いスペースがあったよ」

「ここなら、ゆっくりできるよ」

「おお、野営もできそうなスペースだな。シロ、ミケ、よく見つけたな。偉いぞ」

「「えへへ」」


 シロとミケが、街道沿いに開けた場所があったのを見つけてくれたぞ。

 俺は二人の頭を撫でて誉めつつ、昼食の支度をする。

 何と魔導コンロという便利アイテムがアイテムボックスの中に入っていたので、ありがたく使わせてもらおう。

 魔導コンロの見た目は、IHコンロみたいなものだな。

 近くの川から水も汲んできて、念の為に煮沸してから飲料水としよう。

 歩くと感じないけど座ると少し寒いから、お湯の方が良いだろうな。

 お肉をナイフで薄くスライスして、魔導コンロにフライパンを置いて軽く焼いていきます。

 何故か醤油もアイテムボックスに入っていたので、活用していこう。

 

「「おお、良い匂い!」」

「もう少しでできるから、待っててな」

「「はーい」」


 肉の焼ける香ばしい匂いに、シロとミケは待ちきれない様だ。

 表情では何とか我慢している様だけど、さっきから尻尾がぶんぶんと振られているぞ。

 なので、ちゃっちゃとサンドイッチを作っちゃおう。


「パンを半分に切って、野菜と焼いた肉を挟んで完成と」

「「頂きます! 美味しい!」


 シロとミケは待ちきれなかったのか、サンドイッチを受け取って美味しそうにムシャムシャと食べています。

 俺もサンドイッチを食べるけど、肉を焼く時に使った醤油がいいアクセントになっている。

 作ったサンドイッチは、あっという間に食べ終えてしまった。


 食後は、フライパンを洗いながら最後に生活魔法をかけていく。


「いやあ、生活魔法って本当に便利だなあ。普段の生活だったら、火魔法などよりも圧倒的に使えるぞ」


 ピカピカになったフライパンを眺めながら、改めて魔法ってすげーって思った。

 

「「くー、くー」」


 シロとミケは、お腹がいっぱいになったのかいつの間にかお互い抱き合って眠っていた。

 あどけない顔で寝ていて、中々可愛いな。

 後片付けもまだあるし、折角だからもう少し寝かせてやろう。

 俺はアイテムボックスから毛布を取り出して二人にかけてやった。

 さて、俺は後片付けの続きをやらないと。

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