第7話 ハルマの恋愛
気まずい空気が流れる。でも、黙っていても仕方ない。
「俺にできることがあるなら協力するから」
それが何かは全くわからないけど。
ハルマは無表情でこちらを見ている。怒ってるのか機嫌が悪いかはわからないが。そんなんでもハルマは美少年だった。
「……じゃあさ、練習付き合ってよ……」
「え? ああ、うん」
今? このテンションで?
すぐにハルマの両手が伸びてきて、頭を掴まれ、激しく唇を吸われた。
俺が女の子だったら良かったのに。あの澄ましたハルマから、これだけ求められたら嬉しいだろう。
と、最初はそんなことを考えるくらい余裕ぶっていたが、ハルマの吐息と丁寧な舌使いに俺も興奮してきた。さっきはその気になれるか自信がなかったのに、どんだけ俺は単純な奴なんだろうか。
ひとしきり舐め合って、ようやくハルマの手が緩んだ。
「ハルマ……あのさ、キスを始めてしばらくたつけど、練習に……なってる?」
「……ちゃんとなってるよ。どうしたら気持ちよくなるかはわかってきた」
そんなこと考えながらやってたのかよ、器用だな。でもきっと、相手が違えばやることも違うだろう。早く練習じゃなくて、ちゃんとハルマが好きな人とできたらいいのに、と思った。
♢♢♢
ハルマの家を出て、一人帰り道を歩く。ハルマの好きな人について考えていた。
練習は大事だけど、知らなかったとはいえハルマのファーストキスを奪ってしまった。ハルマはそれで良かったんだろうか。下手でも、初めてはちゃんと好きな人が良かったんじゃないだろうか。よりによって、俺が相手って……。でもそれって、ハルマは案外男もいけるってこと?
まさにハッとした。
そうか、アイツは男を好きになってしまったのかもしれない! それなら言ってたこともわかるし、俺に練習を頼むのもわかる!
ハルマがそんなハードな恋愛をしていたとは知らなかった。応援しよう。ハルマが人から理解され難い人生の選択をしたとしても、俺はいつでも味方だ。ほとんど生まれたときから、あいつをよく知っている俺にしかできないことだ。
不思議と自分の中に力がみなぎってきた感じがした。
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