夏休みの終わりに

第38話

朝から溜息の彼女にどうした?という言葉をかけるのを躊躇していた。


何となくで、紺との約束がまたしても流れたらしい事は予測できたからだ。


「今日どこか出かけないか?」


「光バイトあるって言ってたよね?」


少し伸びた髪の毛先をくるくるといじりながら、椅子に体育座りをして、上目遣いをしてくる彼女。


「私って紺ちゃんの友達だよね…なんか紺ちゃん何も話してくれないし…何か事情あるんだろうけどさ…」

そんな会話をした後で、俺は急遽バイトを休む連絡をした。


一緒に暮らし始めて一ヶ月近くが立って、彼女のお母さんから聞かされていた事が事実だと知ったのはそう、日にちはかからなかったけれど、今ではほんの少し家のことやってくれるようにもなったし、知らないこの街での生活も、ここに来てから始めたバイトも休まず行っている。


そんな俺の彼女の友達はどうやら、俺たちにも言えない、やばい仕事でもしているのではないかと疑い始めた俺だった。


しかし、実際は…


かなり訳アリだった。


そんな事実を聞かされたのは夏休み明けの2学期。


その日、またしても複雑な心境の彼女を目の当たりにした。




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