第6話 街での準備と出発
街の中心に到着した一行は、最初に冒険に必要なものを買い揃えるため、街の商店街を歩き始めた。小道を歩くと、賑やかな音が聞こえてきて、通りには色とりどりの看板が並んでいる。木製の小屋や店が並ぶ光景は、冒険の前に必要な準備を整えるための一歩を踏み出したことを実感させてくれる。
「綾、これ見て!」と、沙羅が興奮気味に店先の宝石店を指さした。
「キラキラしてるね。でも、今は冒険の準備だから、それはまた今度ね」と、綾は沙羅の手を軽く引いて、苦笑いしながら言った。
「そうだよね。ごめん、つい」と、沙羅は少し恥ずかしそうに笑って頭をかいた。
絵里香も店を覗きながら、途中で声をかける。
「でも、冒険に出る前にご飯食べない? お腹が空いてきた」
「あ、私も。昨日からずっと歩きっぱなしだったし、少し休憩したい」と、綾が同意し、みんなで商店街の端にある小さな食堂へと向かった。
食堂の中は、賑やかな雰囲気で、少し懐かしい感じがする。木のテーブルや椅子が並び、カウンターで働いている店主がにこやかに迎えてくれる。
「いらっしゃい、若いお客さんたち」と、店主がにっこり笑って声をかけてきた。
その後、テーブルを囲んで食事をしながら、絵里香が少し考え込んだように言った。
「ねえ、みんな。これからどうしよう? 目的地も決まってるけど、どうしても不安になっちゃって」
綾が絵里香に向き直りながら答える。
「大丈夫だよ。最初は不安かもしれないけど、私たちが一緒だから、きっと乗り越えられる」
「そうだよ」と、沙羅が笑顔を見せる。
「私もリリィもいるし、きっと心強いよ」
リリィは沙羅の膝の上で大人しくしている。沙羅がリリィの耳の付け根を触りながら、「リリィもきっと私たちを守ってくれるよね」と言うと、リリィがぴょんっと跳ねて、その言葉に応えたように「アン!」と小さく鳴いた。
「リリィ、かわいいなあ」と、絵里香が微笑みながら言った。
「本当に。ペットがいると安心感が違うよね」と、綾も自分のペット、メロンに視線を向ける。
その後、食事を終えた彼女たちは、それぞれ必要な道具を購入し、次に宿を探すことになった。綾は、お金が足りないことを心配していたが、幸いなことに、街の広場で野宿用の簡易テントや寝袋などを手に入れることができた。すでに持っていた食料もあり、必要最低限のものを手に入れた後は、少しだけ物資を整理してから、いよいよ次の段階へ進むことにした。
「これで準備は整ったね」と、綾が肩から鞄をかけ直し、仲間たちに声をかけた。
「宿泊は……今夜はどこに泊まろうか?」
「うーん、もう少し進んだところに民宿があった気がするけど、遠くまで行けるかはわからないね」と、沙羅が考え込む。
「それなら、今日は野宿でも大丈夫だよ。みんなで近くの森に行ってテントを張れば」と、綾が提案すると、絵里香も賛成した。
「それがいいかも。今夜は星を見ながら、自然の中で寝るのも楽しいかもしれないし!」
「じゃあ、行こう!」と、沙羅が元気よく言った。
その後、彼女たちは街を出て、近くの森に向かって歩き始めた。足元の道を歩きながら、みんなはこれからの冒険について話し合った。
「やっぱり、最初に目指すのは天空の森だよね」と、綾が改めて言うと、絵里香も力強く頷いた。
「うん、そうだね。でも、無理せず、少しずつ進んでいこう」
「うん! みんなで頑張ろう!」と、沙羅がリリィを撫でながら言った。
そして、森の入口にたどり着くと、軽く道具を整え、テントを張って夜を迎える準備を整えた。綾が焚き火を起こすと、リリィもその近くでおすわりをして、火を見つめながら静かにしている。
「今日はゆっくり休んで、明日からまた頑張ろう」と、綾が言うと、みんなはそれぞれ笑顔で頷いた。
その夜、彼女たちは、森の中で初めての野宿を楽しんだ。自然の音と星空の下で、みんなで一緒に過ごす時間は、まだ冒険の始まりに過ぎないけれど、それぞれの心には少しずつ確かな期待が芽生えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます