「……本気にしちゃいましたよ」

私が少し頬を膨らますと、

彼はクスクスと笑って、

「いや、ゴメン。俺も自分で言って驚いた」

「笑えませんよ」

「だよね。本当にゴメン」

「……」

「でも本当にそうだったらいいのにね。まるで、運命の再会みたいじゃないか？」

「……運命、ですか……」

「うん、君が彩月で俺がセツ。本当なら、すごく素敵だよね」

青年はニコニコ顔でそう言うが、

私の心臓はさっきからうるさいぐらい跳ねていて。

なんだかとても落ち着かなかった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい