第19話
「読み方、ですか?」
「うん。雪の漢字の、別の読み方」
「それって……」
私の目がゆっくりと見開く。
雪の……別の読み方は……
ああ、なんだろう
すごく、胸がざわざわする
鼓動の音がやけにはっきり聞こえ始める
青年の薄い唇が、ゆっくりと開き─────
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