第18話
あ、ああ……
私はまだドキドキしたまま、答える。
「え、えーと……その、私も雪を見ると、無意識に呟いちゃうんです。意味は分からないけれど……」
「なんて?」
「その……『ゆき』って」
「ゆき?雪を見て、ゆきって呟くの?」
青年が不思議そうな顔をして私を見る。
「は、はい……でもなんだか、しっくりこないというか……」
「ふーむ」
腕組みをして、なにか考えるように目を瞑る青年。
彼の柔らかそうな薄茶色の髪が、風によって揺れた
そして、
「ゆき、ゆき……雪しか思い付かないね。読み方を変えてみる?」
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