節分の豆速やかに放物線

 「今日は節分だから豆まいといてね」と言い残して妻は外出。

 子どもも成人して今日は仕事、休みで留守番の俺に豆まきの当番が回ってきた格好だ。

 別に豆まきは嫌いではないので、妻が用意してくれている豆まき用の大豆を握りしめ、「一人豆まき」を楽しむ。意外ときれいに豆は飛ぶものだ、と感心しながらも後で回収しなくてはいけないので、投げる場所も考えつつ「鬼はそと、福はうち」と小声でボソボソ言いながら5分もかからずに豆まき終了。子どもが小さいときはいっしょにやっていたのだが、まあ月日の経つのは早いものだ。

 そうだ、と思い立ち、マンションのベランダから虚空に向かって「鬼は〜そと!」と思い切り豆をまいた。もちろん後でご近所様迷惑にならないように、「エアー豆まき」だが、心の中の豆はきれいな放物線を描いて空から下の街路樹に吸い込まれていった。

 

 

 

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