犯人は...

この村で人が死ぬ、本当に犯人は村長だったのだろうか。坂田さんが死んじゃったなんて、と近隣の人が話をしているということは、坂田さんはこの時点よりも前に死んでいるところを誰かに発見されていたはず。そうだとすれば、村長の後ろにバラバラ死体があっても、村長が殺した証拠にはならない。ナイフも、血の着いたエプロンも、現場捜索の途中で犯行に使われた証拠物を手に取ったり、死体を検査しているときに直接服に血が付かないように付けたということで合理的に説明が着く。そして、わざわざ主人公に対して早く村を出ろ、と忠告した。それも、家族と一緒に、とは言わずに。普通であれば連日人が死んでいるような事件の犯人が分かった、という言葉を聞いたら、そんな事件の捜査をするなと注意したり、誰が犯人なのか?と聞きたくなるようなものである。しかし、お母さんはただ微笑んでいた。寧ろ、犯人はお母さんなのではないか?自身が犯人であれば、犯人が分かったという言葉に驚かないのも当然である。そして、村長も現場捜索でそれを確信したからこそ、その息子である主人公を逃がそうとした。家に来たのは殺人鬼を始末するため、最初から最後まで村長は主人公を逃がそうとしたのではないか。村長が家に来て、母親を問いつめ真実が判明したとき、母親は村長を殺し、事情を知った主人公も殺そうとするのだろうか。そうだとすれば村長はどうやって事件を解決しようと考えているのだろうか。