僕 without 君

カメラが苦手なのと 君は言った

自分の笑い顔が好きじゃないからと 言った

笑顔にならなくていいからと 僕は言ったけど

それでもイヤだと 君は言った


今はすぐに過ぎてしまって

良いことも良くないことも 

何もかもが流されてしまうから

どうか想い出にはしないで

何も残さないで


あの時の君は どんな気持ちだったのかな

少しずつ 頭の中から君がいなくなる日々

忘れるつもりもないのに

覚えていられなくて 腹が立つ


君の存在しない 僕の今があって

僕の存在しない 君の今があって

そうしてお互い 少しずつ気配も薄れて

霧のようにやがて 景色に紛れていく

何も残さないで


明日だった日が 今日になって

今日だった日が 昨日になって

そうして 僕は生きていく


君のいない街を 

ひとりで 歩いていくんだ


 




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