ささやかに願わせて

今日あったことを 君に話したいな

すれ違った犬が可愛かったことや

きれいな表紙の本を見付けたこと

つまらないかもしれないけど

聞いてほしいんだ


でもきっと

僕のことなんて 

とっくの昔に 想い出になってるよね

あるいは もう忘れてるよね

それもまた 仕方ないよね


僕のまわりには あちこちに笑う君がいて

なかなか忘れさせてくれない

待ち合わせした 時計塔

抱き締め合う僕たちを照らした 街路灯

目を逸らさない君の ありがとう


でもきっと

僕のことなんて

君は忘れたくて たまらないんだよね

もしくは もう捨てちゃったかな

それもまた 仕方ないよね


次に行こう 新しい恋をしよう

どうして皆 そう思えるんだろう

分からないや


でもきっと

僕とのことなんて

君はなかったことにして 

新しい季節を迎えてるんだよね

出来るなら どこかで笑っていたらいいな


ささやかな 僕の願い

それぐらい 許してよ

 

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