消えないで 冬

そうだけど そうじゃないんだと

言葉を濁した貴方は

あの時何て言おうとしたのかと

今になって考えてしまうの


綻んだ部分は繕ったつもりだったけど

気付いちゃった

貴方が見ていた穴は 私には見えなかったこと


ここから春がなくなって

一足飛びに夏が来て

短い秋はいつの間にか終わってる


冬だね


いつもみたいに ふざけてさ

笑ってよ

そんな顔も出来ないなら

最期まで隠してよ

そうしたら 知らない振りをしてあげたのに


過ごした春はもう遠く

ひとりでに夏は居座って

束の間の秋が 枯れた葉を落とす


冬だよ


貴方が消えた あの冬は過ぎて

想い出だけが白く残る

溶けないで 雪

解けないで 魔法


消えないで 冬

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