自由
僕の上履きに泥を詰めた あいつはもういない
僕の机に足跡をつけた あいつはもういない
僕の教科書をバケツに放り込んだ あいつはもういない
僕のそばを通りながら息を止めていた あいつはもういない
僕のプリントを写す時だけ礼を述べた あいつはもういない
僕の声を汚いと言った あいつはもういない
僕の親に「友達ですから」と大嘘をついた あいつはもういない
誰も 誰も 誰もいない
誰もいない教室で 僕は あいつらの机を蹴り上げた
誰もいない教室で 僕は 黒板に向かって花瓶を投げつけた
誰もいない教室なら 僕は泣けるかもしれないと思ったけれど
誰もいない教室でも うまく声が出せなかった
誰もいない教室は 誰かがいた教室で
誰もいない教室だろうと 僕に居場所はなかった
誰もいない教室 僕のいない教室
さようなら教室 あすからの僕は 自由だ
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