第45話グッドコミュニケーション

朝、雨の音で目が覚めた。時間はまだ6時30分と早い時間だ。俺は体を伸ばし、起き上がる。

進と正輝はまだ寝ているので起こさないように歯を磨き、外の自販機に向かった。


「うへぇ〜。凄いな」


かなりの量の雨が降っているせいか、地面はぬかるみ、所々大きな水溜まりができていた。風も強く、軽い嵐のようだった。


自販機からの帰りに女子達が泊まっているエリアで、橘さん達警護人の人達と先生達が慌ただしく何かをしていた。俺は気になりそちらへ向かった。


「橘さん、おはようございます。何かあったんですか?」


「あ、おはようございます咲夜様。ちょっとこの天候のせいで今後の予定が変わりまして。」


「お、おはよう氷室!ちょうど良いところに来てくれたな。悪いんだが男子連中を起こしてくれないか?予定変更で帰ることになったんだ。」


「おはようございます先生。起こすのは構わないですが、予定変更ってどうしてなんです?」


「行きで使ったシーレーンあっただろー?海の上走ってたやつ。あれが今荒れた天気を考慮して通行禁止になっているみたいでな、あれ使わないと帰るのに時間が掛かるから早くここを出ようと話があったんだよ。」


確かあの道使ってもそこそこ時間掛かっていたよな。あの道使えないなら確かに相当時間が掛かりそうだ。


「わかりました。みんな起こしてきます。」


「悪いなー氷室。頼んだぞー。」


俺はみんなを起こしに向かった。

男子エリアに戻るとちょうど自販機に健太郎と幸太郎がいた。

俺は二人に事情を説明した。


「おはよう二人とも、今先生と話してたんだが、予定変更でもう帰るみたいだから、皆を起こしてくれってさ」


「そうなんだ、わかった。ボクは部屋に戻って荷支度してくるよ。」


「僕はクラスの男子達を起こしに行くよ。この天気だ、シーレーンが使えなくなったのだろう。」


二人はそれぞれ部屋に戻って行ったので、俺も正輝と進を起こしに部屋に戻った。


正輝達を起こして、支度をしてから外にでると、既にバスが待機しており、各々乗り込んでいるようだった。


俺達もバスに乗り、行きに座っていた席に向かうと姉さん達が既に座っていた。


「おはようみんな」


「「「「「おはようさくや!氷室君」」」」」


皆に挨拶をし、俺も席に座る。


「おし!皆バスに乗ったな!皆には申し訳ないが、この天候の影響で予定変更をして帰らないといけなくなってしまった。長時間バスに乗ることになるけど休憩はちょくちょく挟むようにするからなー。」


郡山先生が話終わるとバスが出発した。この雨の中管理人さんや体験教室の係員さん達が見送りをしてくれているので、皆で手を振りながらキャンプ場を後にした。


かれこれ3時間は経っただろうか、最初は話をしながら時間を潰していたが、皆眠ったり携帯を弄ったりし始め、暇になってしまった。

周りを見ても大体の生徒が同じように時間を潰していた。


休憩が入りトイレ等を済ませまた長い時間バスに乗り始めた頃、母さんから電話が来た。


「もしもし?さくやちゃん?今大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ母さん。どうしたの?」


「今日凄い雨じゃない?だから帰りに車で一江と一緒に迎えに行こうかって話していたんだけど、何時位に学校に着きそう?」

橘さんに今いる場所からどのくらいにラギ学に着きそうかを計算してもらい母さんに伝えた。


「えっと、橘さんが言うには海底トンネルの入り口らへんにいるみたいで、そのまま休憩を挟んで行って3時位には着くみたいだよ。」


「あ、やっぱりシーレーン使えなかったのね。カオリちゃんから事情は伝えられていたから予想はついていたけど、わかったわ3時位に学校に行くわね。」


「うん、ありがとうね母さん。一江さんにも宜しく伝えておいてね。」


「うん、あ!最後に「お母さん、愛してる」って言ってくれないかし・・・」プッ


最後は聞かなかったことにして電話を切った。

迎えに来てくれるのはありがたいので、会ったらまたお礼を言ってあげよう。

さて、俺も一眠りしとくかな。


・・・・・・・。


どの位眠っていただろうか、先程は海底トンネルを通っていたので、車内も暗かったが今は外を走っている。

手で何か柔らかい物を掴んでいたようで体を起こして周りを見る。

・・・・俺が掴んでいたのは橘さんのお胸様だった。


「!?ご、ごめん!橘さん。」


慌てて手を離し座り直す。また橘さんに寄りかかって寝ていたようだった。


「良いのです、えぇ良いのです、良いのです」


橘さんは一句読みながらとても満足したようすだった。あぶねぇ色々と起きちゃう所だった。


「へぇ〜さくやはご飯より乳が揉みたいってか!」


姉さんがキレ気味で突っ掛かってきた。テーブルを見ると弁当が置いてあった。


「そんなに揉みたいなら私のを」


「東城さんは何を言っているのかな?さく君は私のを揉むべきだよ」


「あ、あの、皆落ち着いて」


頑張れ町田さん!皆を止めてくれ。


「皆さん、そんなに興奮しないでください」ドヤァ


橘さんは煽らないで。


「さくや!とりあえず正座!!」


「はい」


俺は靴を脱いでその場で正座した。ここで逆らうのは三流よ。


「さくや、あんたはそうやって無防備でいて、もっと慎重になりなさいよ!」


「そうだよさく君!なんでそんなに軽率な行動するのかな?」


「「「うんうん」」」


「ごめん、俺さ皆と一緒だからって少し浮かれてたよ。なんか皆と一緒だと安心しちゃってさ。」


「・・・・私達と一緒にいると安心するの?」


「うん」


「それってずっと一緒に居たい程私達のこと好きってこと?」


「?好きだよ?(like的な意味で)」


「・・・判決、無罪!さぁ皆でご飯食べましょうか♡」


「だね!お腹ペコペコだよぉ♡」


「氷室君も時には気が緩んでしまうこともありますものね♡いただきます」


「氷室っちもさ、次から気を付ければ良いんだよ♡」


「....♡」


「咲夜様、私はいつでもウェルカムですよ♡」


なんか許してもらえたぞ?姉さんの質問の意図はわからなかったけど、皆を好きなのは嘘じゃないしな。とりあえず俺も弁当食べよ。


弁当も食べ終え、しばらく経った。弁当はキャンプ場のスタッフさん達が持たせてくれた物だったらしく、とても美味しかった。


橘さん曰くあと30分程で学校に着くようだ。今は2時半過ぎだからかれこれ6、7時間位はバスに乗っていたみたいだ。


う〜んと体を伸ばし皆と話をしていると、いつの間にか学校に着いた。


「皆!お疲れさん、今日はもうバスから降りたらそのまま帰っていいからな。忘れ物するなよー。」


郡山先生の挨拶も簡易的に終わり、俺達もバスに降りた。雨はもう小降りになっていた。


「さくやちゃ〜ん!!お帰り〜」ムギュッ


「さくやく〜ん!!お帰りなさい」ムギュッ


スーハースーハー、クンカクンカ


「た、ただいま母さんに一江さん。苦しいし匂い嗅がないで〜っ!!」


バスを降りてすぐに母さんと一江さんに熱烈包容をされ、匂いも嗅がれた。

二人の立派なお胸様に包まれて気持ちがいいが、やはり匂いは嗅がないでほしい。


「あら?薫いたのね、お帰り。」


「一子もいたのね、お帰りなさい」


「「ただいま!」」パシッ


姉さんと一子が母さん達の手を離してくれたお陰で俺は解放された。


母さんの運転する車に乗り、俺達は家に向かった。


家に着き、自分の部屋に入った。やっぱり住み慣れた自分の部屋が一番だな。


よし!明日はエデンに行こう!


俺は決意し、母さんと一江さんに交流教室の話をする為に居間に向かった。


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