年々増える児童虐待

「石田さん、虐待の件数って、年々増えているのでしょうか?」

「数字的にはそうですね。でも僕は、今まで隠れていたのが見えてきたのでは無いかと思っています。」

「児童虐待が、社会で問題視される様になって、世間が積極的に通報する様になったから…ですか?」

「そうですね。まぁ、匿名で簡単に通報出来るようになったから、虐待の事実は無いのに、何度も何度も嫌がらせの様に通報する人もいるんですけどね…。ほんの一部ですが。」

「それはめちゃくちゃ迷惑ですね…。」


そんな事をして何が楽しいんだろうか。


「小西さん、良かったらご自宅まで送りますよ。」

「え?でも、お仕事は大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ。仕事の心配をして下さり、ありがとうございます。」


本当に大丈夫なのかな…って思ったけど、折角の好意を無駄にするのも申し訳ないなとも思ったので、お願いする事にした。


「それじゃあ…お願いします。」

「確か、比良坂ひらさか駅の近くでしたっけ。」

「あ、はい。そうです。」


石田さんに家の話した事あったっけ?


「僕が昔、比良坂の近くに住んでいたって話をした時に、比良坂の近くのアパートに住んでいるって言っていた様な気がしたんですよ。」

「あ…。そう言えばそんな話した様な…。」

「びっくりさせてすみません。」



「あ」

「どうしました?」

「ここで下ろして下さい。」

「?何か用事でも?」

「いつ虎太郎くんが家に来ても大丈夫な様に、掃除しないとと思いまして。」


今のごちゃごちゃした家だとまずいからね。


「なるほど、それはとても大切な事ですね。」

「石田さん、送って下さりありがとうございました。」

「お疲れ様です。気を付けて帰って下さいね。」


私は石田さんの車を見送ってから、近くの100円ショップに入って、足りない掃除用具を買い足した。



虎太郎くんが我が家に来た時に彼の部屋になる部屋は、物置きみたいになっていた。

折角だし、断捨離をしよう。

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