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「ずっと見ていました」
キミが下りる駅、引き留めてそう告げたのは。2月14日のこと。
失敗を繰り返し、二日間ろくに寝ずに用意したチョコレートを渡すことすら忘れて、思い出し慌てて差し出す。
キミは驚いた顔をして、すぐには受け取らず、「それは友達として?それとも」と言った。
友達になるだけで十分。心ではそう思っているのに、口は思っているより正直で。
「彼女になりたいです」情けなく声は震えたけど、キミは「やっと目合わせてくれた」とチョコを受け取り、言った。「今度一緒にお気に入りの本を探しに行こう」
それからはあっという間だった。放課後はデートをし、夕方のバス停で初めてのキスをした。好きと何回も言ったし、言ってくれた。
時間を共にするたび好きになっていった。出会った頃より、ずっと。
卒業後の進学は、私が地元の大学で、彼は少し離れた大学に行くことが決まった。
「遠距離になるね」と私が言うと「大丈夫でしょ」とキミは笑った。それは自信と信じてやまなかった。信じるしか、なかった。
離れてからも連絡は毎日取り合った。お互いバイトを始め、終わったら必ず報告し合った。
遠距離になって二ヶ月が経った頃には、連絡は二日に一回、三日に一回と減っていき、毎日していた私とは逆に、キミから返ってくることは少なくなった。
電話も出なくなり、掛けなおしてもこなくなった。たまに出たときには、周りからは楽しそうな声が聞こえて、忙しいからとすぐ切られた。決まって女の人の声が聞こえた。
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