蛆tv.の乱
龍玄
第1話 偉くなりたい-グッドマンフニッシュ
あいつ、能力もないのに媚売るのが上手いだけで、支配力をましてやがる。それも、才能のひとつだと自分に言い聞かせて、今まで煮え湯を飲んできた。蛆テレビは女子アナはタレント扱いだ。タレントとして育てれば、下手な芸人や女優を呼ばなくて済む。確かに経費に大きな喜びを与える。アナウンサーは原稿を読むだけの存在だ。多少下手でも原稿さへ読めれば、それでOKだ。余りにも下手ならバラエティのアシスタントを務めさせればいい。代わりなら、女子アナ派遣のプロダクションから選りすぐればいい。ならば、視聴者受けする愛嬌・可愛い・美人が採用条件だ。俺もそう思っていた。見渡せば、充分タレントして活躍できる女子が社内を彩っていた。
彼女たちも高給取りの一員だ。甘い汁を舐めればもう逃げられない。彼女たちはライバルに負けまいと内心では必至だ。隙あれば、取り入っても職場を確保したい。誰しもがそう思う様になる。
何かをしたければ偉くなれ。偉くなるためには媚を売れ。太鼓持ちと呼ばれようと。偉くなれなければ、偉い者に媚を売れ。得たいものを手に入れたければ、多少のリスクは仕方がない。一時の我慢がその後の優越感に繋がる。競争とはそうして勝ち得るものだ。売れない者や新人は人脈がない。人脈を作るには、心で泣いて笑顔で接するなど当たり前だ。媚を売るとはそういう事だ。人間慣れれば、馴染むものだ。正義も悪もない、仕事(餌)がなければ、綺麗ごとを言っても生きていけない。辛抱できなければ、低迷に甘んじるだけだ。芸能人の枕営業は、性接待を受ける側の割り切りがあるからギブアンドテイクが成立する。汚かろうが他人に何と言われようが、仕事を得た者が勝ちだ。活躍の場を勝ち取れなければ、スタートラインにも立てない。 やった者、受け入れた者、勝ち。これがwinwinだ。餌に藤生する芸能人は、餌の前では自分を捨てるなければならない。その先に「人気」という武器を手に入れれば、周りがちやほやしてくれる。ハングリー精神の賜物だ。見た目で勝負する者には「旬」がある。そのアイテムを使わないのは愚かだ。
張りぼての人気はやがて老いと共に枯渇する。特に女性はその傾向が強い。女性もそれを知っている。女子高生は全ての女性が手にする最強のアイテムだ。それを活かすか否かは本人次第だ。少なくとも見た目華やかなテレビ業界を目指す者は少なくても、周りから常日頃、綺麗だとか可愛いと言われ続けてきた者だ。いざ、運よく業界に入れば、そういった連中の渦に巻き込まれる。特化した才能がなければ埋もれてしまうのは必然だ。他人の家の芝は青く見える能力もないのに媚売るのが上手いだけで、支配力をましてやがる。それも、才能のひとつだと自分に言い聞かせて、今まで煮え湯を飲んできた。蛆テレビは女子アナはタレント扱いだ。タレントとして育てれば、下手な芸人や女優を呼ばなくて済む。確かに経費に大きな喜びを与える。アナウンサーは原稿を読むだけの存在だ。多少下手でも原稿さへ読めれば、それでOKだ。余りにも下手ならバラエティのアシスタントを務めさせればいい。代わりなら、女子アナ派遣のプロダクションから選りすぐればいい。ならば、視聴者受けする愛嬌・可愛い・美人が採用条件だ。俺もそう思っていた。見渡せば、充分タレントして活躍できる女子が社内を彩っていた。
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