冒頭から広がる壮大なスケールにまず圧倒されました。
過去に偉大な二つの生を歩んだ少女が、三度目の生を“自由”のもとに生きようとする物語。
重厚な前世設定と、柔らかく描かれる現世の学園生活とのコントラストがとても魅力的です。
視力を持たず生まれながらも、魔力の感覚で世界を捉え、静かに知を蓄える姿に惹かれました。
また、彼女が出会う“似た魂”を持つ少年との交流も、派手なバトルとは異なる、
魂の共鳴のような温かさがあって心地よいです。
「成長する不老」という独自の概念や、学園の“自由区域”の設定など、
世界観も非常に緻密で、想像力を刺激されます。
静謐でありながら、確かな意志を感じさせる主人公の“選んだ生き方”がとても印象に残る一作でした。
これからどう歩んでいくのか、続きを楽しみにしています。
異世界から来たノックスと、虫の塔に生きるベルーガ。その不思議な出会いから始まる物語は、まるで静かな夜にそっと灯るランプのように、柔らかく心に残ります。魂や魔導、過去と未来、そして命のあり方――重たいテーマを扱いながらも、登場人物たちの言葉はどこかあたたかくて、読んでいる私たちをそっと包み込んでくれるんです。ベルーガの厳しさの中にある優しさ、ノックスの純粋さとひたむきさ、それぞれの成長や葛藤がとても丁寧に描かれていて、つい応援したくなってしまいます。時にくすっと笑って、時に胸がきゅっとするような展開もあり、次のお話が待ち遠しくなる、そんな素敵な作品です。魔法や学園という馴染み深い舞台に、独自の色を加えたこの世界が、もっと広がっていくのを楽しみにしています。
かつて“虫の帝”として人類を導き、さらに異世界では“龍血の勇者”として魔王を討ち滅ぼした少女・ベルーガ。
そんな彼女が、盲目の身体で迎える三度目の人生では、二千年前に自らが創設に関わった魔導学園に“生徒”として入学する。
物語の展開は非常にゆるやかで、圧倒的な知識と魔力を持ちながらも、人付き合いにはどこか不器用な少女・ベルーガの“孤独”と、“少しずつ広がる人間関係”に、ささやかな温度を感じる──
癒し系の俺TUEEE!
会話よりも独白や観察、そして魔導理論が中心となっており、好みは分かれるかもしれませんが、世界観の密度と丁寧な文体が光る作品です。