第18話 ショウガ飴(3)
早速、照葉は許される方法を模索し始めた。できるだけ量産型候補さんに会う確率が低く、なおかつ万が一出会ってしまっても相手に不安を感じさせない方法。量産型候補さんが通う女子校の最寄り駅は照葉が降りる駅の一つ後だ。その駅のある街には何があるだろうか。
学生街らしいのは自然と見聞きして知っていた。その点では照葉の学校のある街とあまり変わらないらしい。都市部なので駅と駅の間隔があまり離れておらず、見ようによっては照葉の降りる駅と量産型候補さんの降りる駅のある街は、一続きの学生街にも見える。今まで照葉があまり興味を示さなかったのも、いつでも行ける近場に改めて行きたいとは思わなかったからだ。ただ、よく調べてみると、やっぱり少しの土地柄の違いはあるのに気が付いた。
照葉の通う高校は共学だ。近くに大学もあるがやはり共学。だが、量産型候補さんの通う女子校は中高一貫校で、やはり近くには無関係の系列だが女子大がある。照葉の降りる駅の近くには定食屋やラーメン店が目立ち、量産型候補さんの学校近くにはチェーン店を含んだカフェが多い。コンビニはどちらの町にも適度にある感じだった。
(女の子が多い場所との違いかなあ。まあ、お店の好みはあくまで目安よね)
実際には女性もラーメンやがっつり系の定食が欲しくなる時があるし、コーヒーが好きだったりカフェの雰囲気が好きな男性もいる。
(カフェかあ。ちょっと離れた場所のカフェに行くのって変じゃないよね。量産型候補さんの通う学校を遠くから見て、その後カフェで何か飲もう。日曜日だったら会う確率もっと下げられるよね)
照葉が気を使いながら願望をかなえるのは、その週の日曜日に決まったのだった。
(よし、健全に散歩できるようにがんばろう!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます