第2話 天内弥子 (改)
「石見さん、少し話さない?」放課後帰ろうとした時、入学前にカラオケで遊んだ帰りに会った彼女に話しかけられる。
「前に会ったお姉さん」
「天内弥子っていうの!よろしくね」
「こちらこそ、石見舞です」私と先輩が話していると教室がザワついてくる。
「天内先輩と話してる人だれ?」「さぁ」
「今日、時間あるかな?」
「大丈夫です。あります」
「そっか!じゃあ、先に玄関行ってるね」そう言って先輩は教室を後にした。
「ねぇ!天内先輩といつ知り合いになったの!?」色んなクラスメイトから聞かれる始末。
「入学前にたまたまカラオケで会って、傘貸して貰っただけだよ!」
「なんだって!羨ましいな」男子たちが羨ましいと言ってくる。
そんなこと言われたって私は好きで傘を忘れた訳じゃない、偶然が重なっただけだ。
「じゃ、先に帰るね」先輩を待たせるわけにも行かないため教室を出て玄関へ向かうことにした。
「天内先輩!おまたせしました」
「いいよ!今来たばかりだから」
「ありがとうございます」
「あとさ、先輩はやめてくれない?みこでいいわ」
「わかりました!みこさん」
「呼び捨てでいいわよ!マイ」
「私まだ先輩のことそんなに知らないのに名前で呼んでいいんですか?」私はあの時、傘がなくて困ってて先輩はしかたなく相合傘をしてくれただけなのに入学して数日で名前で呼び合う仲になるなんて思ってもいなかった。
「分かった。みこ」
「それでいいわ」こうして私たちの不思議な関係が始まったのだった。
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