神様のミスで記憶を持って生まれ変わった俺が異世界で旅をする

初恋の相手

第1話

「あ、やべ」


そんな声が聞こえたと思い普段以上に軽く感じる体を動かし、瞼を開けて自分の身体を見渡す。

とても小さくてぷにっとした手や肌、少し伸びたぼさぼさの銀髪。

目が覚めると幼女になっていた。

改めて周りを見渡すと今の俺と同じぐらいかそれ以下に見える寝ている子供が数人いた。

(どういう状況だ、それにしてもさっむい)

「いづっ」

急に頭痛が襲ってきて何かと思えば自分が憑依してしまったであろう幼女の記憶だ。

この幼女は孤児でここは一応孤児院らしい。明日5歳になるようで、5歳になると教会で洗礼を受けスキルが発言するらしく、得たスキルによって価値を決め引取という名目で売りに出されるようで今はそれまでただ生かしているだけのようだ。

(いろいろ終わってる)

(売りに出されるといろんな意味で道具として使いつぶされる未来しか見えない…)

(状況からどう考えて教会もつながっているだろ)

(洗礼は誰にでもするようだが明らかに服といえないぼろ布を着せた瘦せ細った子供達に教会とか名乗ってる善行積んでなきゃダメそうなとこが何もしないわけがない)

(女になったとはいえ、元男として、それはちょっとな)

(得たスキルで逃げるしかないか)

逃げられるかは賭けだけどここは国の隅っこで森に面しているらしい、ほかに方法がないことから森で生き抜くことに賭けるしかないだろう。

とりあえず寝るしかないか…





ガンガン

「おい!朝だ!とっとと起きて支度しろお前等!」

朝、激しくドアを叩きつける音で目が覚める。

記憶の中では急がないと理不尽に普段見られない体を殴られるようだ。

用意といってもここに居るものは顔を洗ったりなどするための水も満足に使えなければ、持ち物などない、預けられた子は少しの金をもらうために売られ、拾われた子は形見なども奪われ売られ院長の財布に入る。

(行くか)

とりあえず殴られないよう子供達の先頭集団の中で4、5番めにいるとしよう。





街の教会についた、孤児院の隣だ。

(これはやっぱりつながっているだろうな)

どうやら今日は少しでも商品をよく見せるため暴力はなかった。

「おい司祭、いつものだ、とっととやれ」

「ハイハイわかってますよ、ちゃんと私にも分けてくださいよ」

「わかってる、当たり前だ、告発なんてされたくないからな」

「ほら、いけ」

そういわれ俺たちは前を歩く司祭についていく。

「ひとりずつ前に出て、この像に祈ってください。そしたらとっととあの男の元に戻ってください。いいですね?」

子供たちは男以外に初めて出会った大人にこのようなことを言われ怯えている。

「誰からやります?」

そういわれ俺から前に出る。

言われた通りに片膝をつき体の前で両手を握り目を瞑る。



そして目を開けると目の前に土下座していた女性がいた。

「本当に申し訳ございません!」

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