第14話
放課後、学校が終わると、校舎内は急に賑やかになり、どこからともなく笑い声やおしゃべりが響き渡る。生徒たちは解放感に包まれて、それぞれのテンションで過ごしているようだった。疲れているのか、浮かれているのか、なんだか皆がいつもと違う気配を感じる。そんな中で、星十倉は冷静に自分の机を片付け、教科書を鞄にしまうと、余計なことを考えることなく、素早く教室を後にした。
彼女の頭の中は一つのことだけでいっぱいだった。放課後は綿心に会いたいな………。歩きながら、星十倉は少し胸を躍らせていた。
歩いているうちに、家が近づくと、少し足取りが軽くなった。やがて、綿心の家が見えてきた。星十倉は少し息を整えて、玄関前で立ち止まった。呼び鈴を鳴らす前に、しばらく周囲の静けさを感じながら深呼吸を一つ。
その瞬間、ちょうどタイミング良く、玄関のドアが開き、綿心が顔を出した。制服のままで、肩にかけたバッグを手に持ちながら、少し驚いたように星十倉を見つめる。
「あ、星十倉さん!お疲れ様です!」綿心は微笑みながら、星十倉に軽く手を振った。その笑顔は、どこか愛らしく、自然と心を和ませるものがあった。
「お疲れ様。」星十倉も微笑み返しながら、軽く手を振る。「ちょうど帰ってきたところ?」
「はい、ちょうど今帰ったところです。」綿心は少し照れくさそうに言いながら、星十倉を迎え入れるように玄関のドアを開ける。「どうぞ、中に入ってください。」
星十倉は頷きながら家に入ると、ふわっと漂うお茶の香りがする。まだ少し外の空気が冷たかったので、その香りが余計に心地よく感じた。
「今日はどうしたのですか?」綿心が軽く首をかしげながら尋ねると、星十倉は少し恥ずかしそうに答える。
「うん、なんだか今日は少し話がしたくてさ。」
その言葉に、綿心は少し顔を赤らめたが、すぐににこやかに頷いた。「もちろん、嬉しいです。お茶でも入れますね。」
星十倉はソファに腰を下ろしながら、綿心が立ち上がってキッチンに向かうのを見守った。中学校から帰ってきたばかりなのに、こうして星十倉を気遣うその姿に気持ちが真っ直ぐになるような気がした。
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