ようこそ、白い世界へ

「カァ、カァ!!」


グロの鳴き声で起床する。

まず目に写ったのは枯れた木々、そして真っ白な雪景色……おい、ちょっと待て。


雪景色……?


[極寒状態が付与されました]


さっっっっっっっっむ!!!!

こんな寒い場所が初期スポーン地点だと?

ふざけやがって!!

待て待て待て、これ戦どころの話じゃないって!!


「グロ、至急暖かそうなものを見つけてくれ。このままじゃ凍え死ぬ!!」

「カァ!!」


グロもその事を織り込み済みだったのか、マップに植物のマークが追加されている。

俺は全力疾走してその場所に行くと、赤色の植物が地面から生えていた。


「あむ……辛ぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


[耐寒状態が付与されました]


グロが示した赤色の植物を口に入れると、まるで唐辛子を口にしたかのような辛さが全身に巡る。

それと同時に極寒状態が解除され耐寒状態が代わりに付与されていた。


「ごほっごほっ……ありがとう、お陰で死ぬことは無くなったよ。死にかけてはいるがな」


冷静に考えれば寒さを解消する植物っていえば唐辛子だもんな。

それをモチーフとした植物があってもおかしくはない。

それはそれとして、あの鴉いつか焼き鳥にしてやろうか。


「だが、これは一時的な処置に過ぎない。火を作らなければ話にならんぞ」


だがそんな都合よく火なんて出てくる訳がない。

俺はこういう火を起こすサバイバル術なんて持ち合わせちゃいない。

はてどうしたものか……。


「……ん?」


ふと視線の先に紫色に光っていた。

なんだろうかと近寄ってみると、そこには紫の焔が漂っていた。

その紫の焔は赤色の植物を採取しており、どこかに運んでいるようだった。


「着いて行ってみるか」


もしかしたら、誰かが運ばせてるのかもしれない。

そいつらとコンタクトをとって運よく仲間に入れてもらえば、常に紫の焔と一緒に居れて寒さ問題は解決するんじゃないか。


そう思ってついて行くと、大きな洞穴にたどり着いた。

音を立てないように恐る恐るその洞穴に入ると、赤色の植物をむしゃむしゃと食べてる狐が居た。

しかも、その狐は尾が九つに分かれている。

いわゆる九尾の狐というやつだろう。


「そこの人間、何の用じゃ」


ばれた……!!

噓だろ、全く音出してないよな。


そう思ったその瞬間、後ろに何か圧を感じた。

そーっと振り返ると紫の焔が「何をしているのかな?」と言わんばかりにガン見していた。


それ監視カメラの機能もあるのかよぉぉぉぉぉぉ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る