キャラメイク
俺の名前は
普段は学業に励み、放課後にはゲーム三昧しているような、ごく普通の生活を送っている。
特にやっているゲームは戦争ゲームなどの対人戦が多いね。
何せPVPはプレイヤー同士のぶつかり合いで、唯一自分の闘争心を満たせる場所でもある。
それなら野球やサッカーなどのスポーツをやればいい?
バカ言え、あんなルールまみれの競技なんぞ窮屈なだけだろう。
俺は己が突破口を開拓し、敵前を打ち砕く。
それの為に生きていると言っても過言じゃないのさ。
だからこそ、竜胆の誘いに乗ったのだ。
確かに『スペースユニバース』も面白いが、もう廃れて戦闘相手はnpcのみとなってしまったからな。
「さてと、どんなゲームなのかな」
俺はベッドで横になり、耳に触れてアナキンを起動する。
今回やるゲームは前情報が全く無い。
竜胆からも「ゲーム内で合流できたらしよう」って言われたけど、結局どこの陣営に所属してるのかとか何も言われてないからな。
もしかしたら敵対コースもあり得るかもしれないと警戒しているのかもしれない。
まぁ俺は例え友だとしても容赦無く敵を粉砕するので、あながち間違いではないがな。
[アナザーワールドキングダムへようこそ]
目が覚めると真っ白な空間のみが広がっていた。
目の前には光の玉が浮かんでいてメッセージが浮かび上がっている。
[まずはキャラメイクを行います]
キャラメイクか……俺こういうの苦手なんだよな。
いつも微妙に変な顔でいつも竜胆に笑われてたっけ。
「ん?」
そう苦い思い出を思い出すが、どうやら今回はそんな事にならなそうだ。
キャメイクには三つのモードがあるようで、カスタマイズモード、テンプレモード、そして参照モードがある。
カスタマイズモードはイチから作るモード。
テンプレモードは元から用意されてる物をイジるモード。
参照モードは現実の身体を参照して生成するモード。
なんだ、こんな良いものがあるのかと迷わず参照モードを押した。
[現実の身体をスキャンします……]
すると徐々に粒子が集まって己の身体になっていく。
そしてそこにはスタイリッシュな身長とイケメンな顔立ちがあった!!!
なんだって?
どっからどう見てもチビだって?
チビで悪かったな。
ちゃんと牛乳とか飲んでた割に一向に身長伸びないんだよ。
親に聞く所によると身長が低い家系らしく「そういう運命だから諦めろ」と言われる始末。
「うーん……チビを取るかブサイクを取るか」
自分で言うのも何だが現実の俺はイケメン寄りの普通な顔立ちをしている。
なんなら女性と会ったら「かわいいね、ぼく」と言われるくらい見た目については悪くない。
完全に子供扱いされるのは癪だが、だからと言ってブサイクになるのも耐え難い。
「よし、このままにしよう」
なに、子供扱いされる事には慣れてるんだ。
チビだの子供だと馬鹿にしてきた奴を片っ端からボコボコにしてしまえばいい。
[次に自分の相棒を決めて貰います]
「相棒?」
すると6匹のモンスターが出現した。
獰猛な白い狼、小さな黒い鴉、硬そうな苔色のゴーレム、宙に浮く赤い金魚、袋を腰に着けた茶色と牛、そして黄金の猿。
これが一番最初の私兵というやつだろう。
ここの選択でこの後の流れが変わると言ってもいい。
慎重に選ばなければ……。
獰猛な白い狼。
攻撃タイプで戦闘や遊撃を得意としている。
小さな黒い鴉。
索敵タイプで周囲の敵の数や位置を特定してくれる。
硬そうな苔色のゴーレム。
防衛タイプで対象を護衛や防衛するのにピッタリだ。
宙に浮く赤い金魚。
回復タイプで味方を治療するのに特化している。
黄金の猿。
生産タイプで何かを作り出す事に特化している。
この中で選ぶべき相棒は……。
「お前に決めた、相棒」
小さな黒い鴉にした。
戦争するにも、まずどこに何があるのかを明らかにしなければならない。
地の利を得てこそ的確に粉砕できるのさ。
[次に自分と相棒の名前を決めて下さい]
「トグとグロで」
名前はなんて事のない
一瞬変な名前にしようかと思ったが、その瞬間相棒が焦りだしたように見えた為、じゃあ分かりやすくしようとなったのだ。
良いと思ったんだけどな……ボッコボコとフルボッコ。
[最後に、これよりトグ様は異なる世界で文明を築き上げる事となります]
[自分で文明を作るのも良し、他の文明に加入するのも良し、また野良で過ごすのも構いません]
[後悔の無いように生き抜いて下さい]
すると突如、目の前が暗く染まっていく。
後悔の無いように……ねぇ、そんなものこのゲームを始める前から心得てる事だ。
どんな奴が相手でもぶっ倒す。
それこそが生きがいだからな。
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