幼馴染は人気VTuber僕は新人マンガ家天才小説家の先輩と組んでマンガ家コンビで成り上がる
高月夢叶
1章 打ち切りマンガと落選小説家
第1話入学と先輩との出逢い
幼馴染の水瀬美波に想いを寄せる僕、雨宮実影は、高校を入学と同時に大手WEBマンガサイト
『チャンププラス』にて『英雄教師』を連載しているWEBマンガ家だ。
モノローグでは詳細は割愛するが、一言でまとめると、異世界帰りの世界を救った英雄が、
現代日本(東京)に帰還して母校で教師となった、夜空夕闇がダンジョンが出現した渋谷を舞台に、
教え子たちにダンジョン攻略をレクチャーしていくローファンタジーだ。
うん、全然一言ではまとまっていなかったな。
僕は、高校生とマンガ家を両立出来るならと親と先生を説得してWEBマンガ家として活動をしている。
高校生からWEBマンガの連載が決定していた僕は舞い上がって、中三の冬休みのクリスマスに幼馴染の水瀬美波に告白した。
美波からは『実影のことは友達としてしか思っていないと言われてフラれた。
僕はショックだった。お互いに良好な関係だと思っていてもう両想いではなく僕の片想いだった。
数日、ごはんが喉を通らぬ日が続いた。それほど僕は美波を好きだったのだと痛感した。
そんな気まずい関係のまま、彼女と同じ高校に進学した僕は美波からある条件を言い渡される。
『お互い、他人の振りをして高校生活をおくること。くれぐれも未練がましい真似はしないでね』
そう釘を刺されて、僕は新しい学校生活を満喫しようと彼女のことを忘れようとした。
だけど、そう簡単に忘れられない。彼女にフラれたからといって嫌いになんてなれなかった。
そんな中、春休みが明け、高校生活が始まった。
入学式で校長の有難くないありがたい長話を聞いて新入生代表が壇上に上がり、宣誓を発表をパッヘルベルの『3つのヴァイオリン』がBGMで流れながら、聞いて入学式は終わった。
式が終わり、教室では早くも連絡先を交換し合う生徒たちで溢れていた。
僕はというと、クラスメイトたちに話かけることが出来ずに一人で自分の席から動かずにスマホを弄る振りをしてこの時間が過ぎるのを待った。
どうせ僕は陰キャのボッチなのだと痛感した。
翌日、体育館で部活動の勧誘があり、僕は文芸部の前で足を止めた。
女子生徒の先輩が一人で新入生を勧誘していた。彼女は文芸部の部長で、部活の勧誘では「小説に興味ありませんか?読書だけでもいいですよ」と語りかけていた。
「私は
立ち止まって聞いていたら僕も勧誘された。見たところ一人だけの部員のようだ。
「廃部の危機なんです」とは一言も言わず、ここで僕が入部しなければ潰れてしまうのではと思うと気付けば入部希望用紙を手に取っていた。
「僕は
「一年生ですよね?はい、勿論です!」栞織先輩は嬉しそうに微笑み、応える。
正直小説は書いたことがない。文庫本はたまに書店で気になったラノベを読むくらいだ。
殆どはスマホでWEB小説を読んでいる感じだ一応は読書が趣味と言ってもいいのかな?
どちらかというとマンガばかり読んでいるのだ。愛読書は『週刊少年チャンプ』だ。
コミックは気にいったのを数作買うくらいだ。だがあえて言わないでおくが。
「文芸部に興味あるのですか?」先輩が期待のこもった瞳できいてくる。
「まあ、少しは」
運動部に入るほどスポーツに打ち込むタイプではない。
スポーツ系の部活は陽キャの巣窟だろう。
どちらかというと家でWEB小説やマンガを読んだりゲームをしたい。要するに陰キャなのだ。
だから文芸部は僕の性分に合っていると思ったのだ。決して彼女に下心があるわけではない。
数分、先輩と話をしてみて、分かったことがある。
清楚感がある人というか、彼女の周りの空気が澄んでいるようなおっとりとしていて奥ゆかしくお淑やかで森の妖精のような人だと思った。
黒髪ロングで優しそうなやや垂れ目で黒タイツを履いているのが清楚感をアップして印象的で可愛いと思った。
要するに儚げで守ってあげたくなる庇護欲を刺激されて魅力的な人なのだ。
HR後に僕は担任教師に文芸部へと入部届けを提出した。
新しいクラスにはまだ慣れないが文芸部という気の合いそうな先輩がいる部活に所属することになったのが唯一の救いか。
***
夜のこと。僕は、私室にてスマホでWEB小説を読んでいると部屋の扉が三回ノックされる。
「兄さん、高校はどうだった?もう始まっているでしょ?!友達はできた?でも兄さんのことだからそう簡単にできないよね」
中学二年の妹の沙織が部屋に入ってきた。 最後の言葉は余計だな。
「勝手にボッチにするな!まだ始まったばかりだぞ」僕は読んでいたWEB小説をいったん閉じてから言う。
「自己紹介くらいしか喋っていないな。友達って普通、すぐにははできないよな!?数週間一緒にいて人となりを知ってから改めて、友達申請をするものだよな」
学校初日から友達ができるのは陽キャやギャルなどのウェイる輩くらいだろう。
陰キャの僕には無理だ。 後ろの窓際の席で、スマホを弄ってたら誰も話しかけてこなかったから別にいいんだけど。
「はぁーその様子だと一ヶ月経っても兄さんには友達はできなさそうだね......」
「失礼な!友達くらい簡単に作ってやるよ」そう強がって反論するも友達を作る算段なんてない。
「兄さんの場合、例え、気になる女の子がいても友達すらなれずに卒業しそう」
「『気になる女友達がいても恋人にすらなれずに』でなくてか?!」
恋人はできないかもしれないけど、友達くらいできるだろうと楽観的な考えを巡らす。
「そうだよ。まず、スタートラインにも立てないんじゃないかなー」
「失礼な!明日、文芸部に顔を出すから手始めに栞織先輩と友達になってくるから前言撤回させてやるからな」
「いや、まずクラスメイトと友達になりなよ!」そう呆れ顔で言い残し沙織は部屋を出ていった。
深夜、22時。明日も学校だしそろそろ寝ようかとベッドに入ったところで『ピコン』とスマホに一件の通知が入った。
なんだろうと開いてみると、美波からのMINEのメッセージだった。
『高校始まったね実影のクラスはどうだった?友達はできた?まだ友達いないボッチなら明日のお昼ごはん一緒に食べない?』
『え?!学校では関わるなって言っておいて急にどうした?明日はボッチ飯確定だから別にいいけど』
「わかった。明日、屋上で待ってる。言っておくけど、実影と一緒にお昼を食べたいわけじゃないからね!ボッチ飯になるあなたが可哀想だと思って一緒に食べてあげるんだから感謝してよね!』
『ツンデレ乙!感謝感激美波様!』
『誰がツンデレだ!実影の分のお弁当作ってきてあげないよ!?』
『え!?僕の分の弁当まで作ってくれるのか?」
美波お前、本当は僕と弁当食べるの楽しみにしてるだろ!とはメッセしないでおいた。
『いらないなら別にいいけど』
『いります御馳走にまります、美波様!』
『よろしい。じゃあ、おやすみー明日も頑張ろうね!』
『ああ、おやすみ』とメッセを送ったのを最後に、眠りの海へと墜ちていった。
***
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